本記事は、管理人ロゼの個人的な視点から描かれた考察です。
ーープロローグから始まる冒頭。
カッセルの振る舞いに反発した読者は、読むのをやめてしまおうかと立ち止まる。
ところが、この作品は、その直前で読者を止めます。
皇太子・オスカル。
そして、貧しい庶民だけれど、美しいエミリアーノ。
視線を移す先が、すぐに提示されるからです。
なぜこの作品は、途中で離脱せずにこんなにも読者を引きつけてしまうのでしょうか。
考察01|通常なら離脱する構造
物語の序盤で、読者の感情が崩れるポイントは明確です。
・主人公に共感できない
・ヒロインが受動的に見える
・感情の行き場がない
この3つが揃うと、読者は離脱します。
特に恋愛系の作品では、
「誰にも感情移入できない状態」は致命的です。
考察02|この作品がやっていること
『この結婚はどうせうまくいかない』では、その離脱ポイントを回避するために、
一つの構造を取っています。
“離脱の直前で、感情の逃げ先を即座に提示する“
しかもそれを、もったいつけずに早い段階で行っています。
考察03|幼少期に持っていく意味
カッセルのろくでなしっぷりを思い切り見せた後、
大人の関係から始めるのではなく、即座に幼少期に視点を移します。
これによって、何が起きるのか。
・関係がまだ確定していない
・評価が固定されていない
・すべてが「これから」に見える
つまり、読者の感情を一度リセットできる。
ここで重要なのは、「やり直し」ではなく「再配置」です。
考察04|ヒロインの主体性の即提示
幼少期の段階で、イネスははっきりと拒絶します。
・受け入れない
・流されない
・距離を取る
これによって読者は理解します。
このヒロインは、”やられっぱなしではない”と。
この一点だけで、読者のストレスは大きく軽減されます。
考察05|感情の逃げ先の提示
そして同時に、別の選択肢が提示されます。
・皇太子オスカル
・エミリアーノ
この二人は、それぞれ違う形で、「イネスを選ぶ側の人物」に見えます。
ここで読者は一度、安心します。
カッセルに反発した感情を、別の人物に移すことができるからです。
考察06|感情が途切れない構造
ここで重要なのは、流れです。
反発する
↓
逃げる
↓
仮に納得する
この一連の流れが、途切れないこと。
通常の作品なら、
「反発」と「代替」の間に空白が生まれます。
この作品は、その空白を作らない。
だから、感情の連続性が維持される。
考察07|しかし、その逃げ先は崩れる
ここで終わらないのが、この作品の構造です。
一度受け入れたはずの「逃げ先」が、読み進めるほどに崩れていきます。
愛しているように見える
しかしどこか違う
違和感が残る
この違和感は、単なる印象ではありません。
「理解できそうで、理解できない」状態が継続します。
それは、構造的な歪みによって生じています。
→ オスカルの構造についてはこちら(※明日公開予定))
考察08|なぜ検索してしまうのか
この段階で、読者は初めて考えます。
- なぜこの人物はこう動くのか
- 何が歪んでいるのか
- 自分が感じている違和感は何なのか
ここで検索欲求が発生します。
ーー「知りたい」ではなく「整理したい」欲求。
考察09| オスカルという存在
この「逃げ先」として提示されるオスカルは、
一見するとヒロインを選ぶ存在に見えます。
しかし実際には、その行動は別の構造で動いています。
→ オスカルはなぜイネスに執着するのか(※明日公開予定)
考察10|まとめ
この作品は、単に展開が面白いだけではありません。
読者の感情を切らさない計算しつくされた設計になっています。
- 反発を生む
- 逃げ先を提示する
- 安心させる
- それを崩す
この連続した流れに乗せられ、
読者は途中でやめることができなくなります。
まさに、計算されつくした構造です。

作者様、神です!
📖この考察を読み終えた方へ
この考察を読み終えた方へ
この作品の構造は、人物ごとに見ることでさらに明確になります。
オスカルの行動は一見すると「愛」に見えますが、
実際には異なる構造で動いています。
▶ オスカルはなぜイネスに執着するのか
→ オスカルの人物構造を整理した考察記事(※明日公開予定)
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📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
【日本語版漫画】
・ピッコマ(最新話先行配信)
・めちゃコミック
・LINEマンガ
・comico
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