原作5巻総括【ネタバレ考察】この結婚はどうせうまくいかない|カッセル・エミリアーノ・オスカル三者の愛と「記憶」の意味を整理

この結婚はどうせうまくいかない

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エミリアーノ編①「記憶の残滓」

本記事は「原作5巻の全体整理」です。

※本記事は作品の感想・考察を目的とした個人ブログ記事です。公式とは関係ありません。

物語の大きな転換点となった原作第5巻。
ビルバオでのエミリアーノとの邂逅、そしてオスカルの衝撃的な告白——。

情報が凝縮されたこの巻は、漫画版の読者にとっても「今、何が起きているのか」と、最も理解が追いつかなくなるポイントだったのではないでしょうか。

今回は、この複雑な第5巻の構造を整理し、イネスを巡る三人の男たちが選んだ「救済」の違い、そして、物語の深淵に潜む「謎の男・アナスタシオ」という存在について整理してみます。


ネタバレ注意
ここから先は原作5巻以降の重大ネタバレを含みます。

📖 原作5巻を読む前に知っておきたいポイント

・記憶を持つ者たちの対立(エミリアーノ/オスカル)
・ネックレスと「記憶という刑罰」
・アナスタシオという観測者の存在

あらすじ|小説第5巻 全体像(ネタバレ控えめ)

第5巻は、イネスの過去に深く関わる「記憶」を持つ者たちが、それぞれの意志で動き出す物語です。

ビルバオでエミリアーノと対峙したカッセルは、イネスの過酷な回帰の秘密を知り、自らを犠牲にしてでも彼女を解き放とうと決意します。

一方で、皇太子オスカルもまた、前世の記憶を支配の道具として使い、イネスを追い詰めていきます。

さらに、これまでの回帰の断片に姿を変えて現れてきた謎の人物「アナスタシオ」が、ついに今世のイネスの前にその姿を現します。

「記憶」の使い道の違い、愛と執着の境界線

今回の総括で最も注目すべきは、前世の記憶を完璧に保持している二人の男、
エミリアーノとオスカルの対比です。

1.エミリアーノ vs オスカル:記憶の倫理

エミリアーノ(自己犠牲の愛)
イネスに自分を思い出させるのではなく、彼女が今世でカッセルと幸せになることを願い、自ら身を引く道を選びました。

記憶を「自分だけが背負う罰」として捉え、イネスが忘れていたならば、それはむしろ「神の救済」と肯定します。

🌹 エミリアーノのこの選択は、単なる優しさではありません。
イネスが知った「愛」の本質から見ると、エミリアーノの行動の意味はまったく違って見えてきます。
第2章③|祝福の正体は「愛」だった

オスカル(支配のための執着)
記憶を「支配の根拠」とし、イネスが自分の手元にいることが「神の意志」であると自己正当化します。

彼女の死を知りながら、その法則を「自分の目の前に再生させる手段」として利用する、極めて独善的な態度を崩しません。

📖 さらに深く読みたい方へ
今回の対比は、こちらの記事で詳しく解説しています。

▶ エミリアーノの愛を深掘り
エミリアーノ|贖罪としての愛

▶5巻の伏線整理
ネックレス伏線について

2.カッセルの決断:結婚商売ではなく「啓示」

一見すると、カッセルの出征は「政治的な都合」と捉えられがちですが、
第5巻を深く読み解くと、それは彼なりの「神との対話」であったことが分かります。

「復活の使徒」と呼ばれる存在との邂逅を経て、
彼はそれを一種の“啓示”として受け取ったように見えます。

そして、それが単なる戦死を意味するのではなく、
「生きて戻り、因縁を断ち切る」ための正当な道であると理解しました。

この信仰に近い覚悟こそが、二人の関係を新しい次元へと引き上げるのです。

5巻のもう一つの構造|二つの“消失”

5巻は、二つの“消失”を対称に置いています。

カッセルは、オスカルのいない世界を作るために、自らが消える覚悟を持ちました。
それは皇太子を討ち、反逆者として存在を失う未来を含んでいます。

一方オスカルは、回帰の条件を語ります。
自死すれば遡る。だが次は戻れないかもしれない。

仮に戻れたとしても、そこはもうカッセルのいない世界かもしれない、と。

守るための自己抹消と、縛るための不在の提示。

この鏡構造が、第5巻のもう一つの骨格になっています。

情報の欠片を繋ぐ補助線

第5巻で戸惑いやすいのは、突然現れた人物や出来事が、
実は過去の人生と深く繋がっていることです。
断片的に見えていた情報が、終盤で一気に意味を持ち始めます。

・アナスタシオ
謎の男 アナスタシオ は、物語全体を通して「観測者」のような立場にいる人物です。
首都メンドーサで出会ったこの男は、イネスの複数の人生に現れていました。

・そして死にゆく彼女に祈りを捧げた牧師。
・処刑場の殉教者。
・ビエマドの礼拝堂の司祭
・幼い彼女を救った男。

彼が語った、
「あなたは悔いるだろう。あのお方が用意したのは、このような選択ではなかった」
「あのお方」が誰なのか、作中で明言はされません。

ただ物語を最後まで読むと、その言葉は運命そのものではなく、互いを求め続けた二人の願いを指していたようにも思えます。

・ビビアナ・カスタニャール(ミゲル・エスカランテの婚約者)

かつての人生で、死を目前にした イネス は、弱りきった身体を引きずって ビビアナ・カスタニャール の葬儀に参列します。

そこには、ビビアナを失ったミゲルの悲しみも、エスカランテ家の喪失もありました。
それでも彼女が願ったのは、ただ一つ。
最後に一度だけ、カッセル に会いたいということでした。

知っていた未来があったとしても、すべてを救えるわけではない。
その無力感と罪悪感もまた、彼女が抱え続けた記憶の一部だったのかもしれません。

📖 その“罪悪感”の正体は、後に6巻15章㉔でより残酷な形で明かされます。
ビビアナの葬儀へ向かった本当の理由、そして、死を目前に、イネスが最後に会いたかった相手とは?
6巻15章㉔|アリシアの告白

シリーズ作品

📖 第12章|エミリアーノ編(考察)
第12章 ①|記憶の残滓
第12章 ②|愛が歪む瞬間

続きをまとめて読む

まとめ

第5巻は、イネス を救おうとした三人の男の方法が、最も鮮明に分かれた巻でした。

  • 記憶を抱えて去ろうとした エミリアーノ
  • 支配を愛だと思い込んだ オスカル
  • そして、罪ごと抱きしめようとした カッセル

さらに、アナスタシオという存在を通じて、物語は「過去の清算」から「運命との対峙」へと大きく舵を切りました。

第6巻では、ようやく手を取り合った二人が、オスカルたちの策略に立ち向かう新たな局面へ進んでいきます。

📖 第6巻から物語は大きく動き出します

カッセルの出征、エスカランテ家の動き、
そして「使徒アナスタシオ」の正体――

第6巻では、これまでの伏線が一気に繋がり始めます。

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📖 作品情報・配信プラットフォーム

  • 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
  • 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
  • 原作: CHACHA KIM
  • 脚色: CHOKAM
  • 作画: Cheong-gwa

【日本語版漫画】
・ピッコマ(最新話先行配信)
・めちゃコミック
・LINEマンガ

・comico

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