この結婚はどうせうまくいかない 原作6巻第16章-⑤あらすじ|川へ流された子と、カッセルの神話【ネタバレ】

カッセルの神話が語られる礼拝堂で、ローデスが母の名前を思い出す場面 この結婚はどうせうまくいかない

ルシアーノはビルバオを訪れていた。

表向きの目的は、エスカランテ大佐が依頼した絵の注文。
しかし司祭との挨拶もそこそこに、老司祭が目を輝かせて語り始めた話が、
ルシアーノの興味を引いた。


ネタバレ注意
ここから先は、重大なネタバレを含みます。

第16章「川はみな海に注ぐが、海は満ちることがない」⑤|あらすじ

カッセルの「使徒の目」

ビルバオの新聖典に武装した異教徒が侵入し、
聖像を破壊しようとした夜のこと。

遅い時間までそこに留まっていたエスカランテ大佐が、
たった一人でそれを食い止めた——と司祭は語った。

「あたかも啓示を受けたかのように、遅い時間まであそこに留まっておられたエスカランテ大佐の慧眼のおかげです。それを我々は『使徒の目』と呼んでおります」
(引用:原作6巻)

交易路の復旧後には、その功績が「正義の門」に刻まれるだろうと。
遠い将来、死後にはビルバオの聖人として列聖されるかもしれないとさえ。

「慧眼……」

使徒の目——そんなものがカッセル・エスカランテに。

ルシアーノは、自分の知る義弟とは正反対と言えるほどあまりに神聖すぎる言葉を、
いささか呆気にとられた顔で聞いていた。

——まあ、妹が喜びそうな話ではある、とルシアーノは思った。

エミリアーノとの邂逅

司祭に続いて礼拝堂へ入ると、絵の具の跡が残る古びた身なりの、顔立ちの美しい青年が立っていた。

「……セニョール・ヴァレスティナ」

乱れた薄茶色の髪の間から、一瞬その色を捉えがたい瞳が、
長いこと釘付けになったようにルシアーノを見つめた。

やがてルシアーノが一歩踏み出すと、エミリアーノは慌てて頭を下げた。

ルシアーノはどこかかすかな既視感を覚えたが、すぐに関心を失ったように顔を背けた。

司祭は言葉を続けた。
この方は、カッセル・エスカランテに絵を依頼されたメンドーサからの貴賓であり、また、この者はカッセルに命を救われた唯一の目撃者でもあると。

「エスカランテの手に救われた、か……」

ルシアーノは意味のない言葉を聞き流すようにうなづいた。

司祭が退席した後、ルシアーノはエミリアーノのかたわらで没頭するように作業する、
もう一人の人物——ローデスに目を向けた。

聖書の比喩

ルシアーノはエミリアーノに告げた。
高価な絵はあくまでお前が一人で描くことになると。
そして絵の主題を語った。

ある異教の王が言った——息子が生まれればすべて川に投げ捨てよ、二度とバサトの王が生まれないように、と。

「そうだ。瀝青と木の脂を塗った葦の籠に、兵士たちの目を盗んで赤子を入れ、川へと流さねばならなかった、ある哀れな母の物語だ」

「彼女の息子はついに生きて戻り、バサトの王となった」

エミリアーノは何も言えないまま、ローデスを凝視した。

母の名前

ルシアーノはローデスと向き合った。

「マテオ。母親の名前を覚えていますか?」

ローデスはヴァレスティナという名に気圧され、狼狽していた。

ルシアーノは続けた。
「息子を取り戻そうとしているある女を代理して、ここへ来ました」

しばしの沈黙の後、ローデスの口から言葉が零れた。
「……レジーナ」

「……レジーナ、メーロ……」

お母様もまた、あなたを片時も忘れたことはなかったそうですよ」 (引用:原作6巻)

📖 ローデスの母・レジーナが、なぜ息子を手放さなければならなかったのか
レジーナ・メーロの告白と“過去”を読む

レジーナ・メーロ

ルシアーノの言葉だけが、静かな礼拝堂に残った。

「あなたが無事に生き延びたのですから、もうその時が来ました。ローデス。
その名と、あなたの取るに足らないすべてを捨てる時が」(引用:原作6巻)

ローデスは答えなかった。

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※本記事の人名・地名は原作ベースの仮訳です。今後の公式翻訳により表記が変更される可能性があります。

📖 作品情報・配信プラットフォーム

  • 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
  • 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
  • 原作: CHACHA KIM
  • 脚色: CHOKAM
  • 作画: Cheong-gwa

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