※本記事は作品の感想・考察を目的とした個人ブログ記事です。
公式とは一切関係ありません。
1巻の本質:始まった瞬間に、前提が崩れ去る
この1巻は、単なる物語の始まりではありません。
すでに「積み重なった幾層もの人生」という断崖の上に、
何も知らないカッセルが立たされ、その足元から空虚が広がっていく巻です。
ネタバレ注意
ここから先は原作1巻以降の重大ネタバレを含みます。
第1章|視点のトリック :カッセルという「入り口」
物語の幕開け、プロローグで私たちはカッセルに対して「軽薄で、不実な男」という印象を持ちます。
しかし、第1章で彼の内面に入り込んだ瞬間、
その認識は上書きされることになります。
そこにいるのは、放蕩児の仮面を被りながら、
実際にはイネスという一人の女性にずっと翻弄され続けている男の姿です。
「あれ?カッセルって本当は……」 と、読者が彼の視点に慣れ、安心しかけたところで、
物語はさらに大きな転換を迎えます。
第2章|イネスが見ている「景色」
第2章で視点がイネスに移ると、カッセル側から見えていた景色は一変します。
ここで語られるのは、単なる初恋やロマンスの記憶ではありません。
- 最初の人生:皇太子オスカルとの地獄のような結婚生活
放蕩と残虐の限りを尽くす夫、病に侵される体、繰り返される流産。
絶望の果てに自ら人生を終わらせたかつての人生の記憶。 - 二度目の人生:唯一の救いだったエミリアーノとの逃避行
愛する人を目の前で殺され、幼い我が子と共に、再び自ら幕を引いた記憶。 - 三度目の今:すべてを諦め、冷静に、冷徹に臨む三度目の人生
カッセルが「今の関係」に一喜一憂している隣で、イネスはすでに二度の壮絶な経験をし、その残滓が与える虚無の中にいます。
今、二人の間に横たわるのは、感情の良し悪しではなく、
「持っている時間の重みの圧倒的な差」でした。
執着の正体:皇太子という存在
この歪な関係にさらに影を落とすのが、現皇太子・オスカルの存在です。
政略的な振る舞いの端々に、言葉とは裏腹なイネスへの執着が見え隠れします。
まっすぐに見えるカッセル、
すべてを終わらせようとするイネス、
そして底の見えないオスカル。
1巻という短い区間の中で、読者はこの三者の危うい均衡に引きずり込まれていくことになります。
違和感の正体を探る
1巻で描かれるのは、取り返しのつかない過去と、現在進行形のボタンの掛け違えです。
なぜイネスは、これほど過酷な道を選ばなければならなかったのか。
何も知らないカッセルが、彼女の「隠し事」に触れたとき、この関係はどう変わるのか。
1巻を読み終わる頃には、読者は「答え」を探さずにはいられなくなっているはずです。
なぜ「どうせうまくいかない」のか
ーー『この結婚はどうせうまくいかない』
1巻を読み進めるうちに、私たちはその言葉が、
単なる謙遜や強がりではないことを知ります。
それは、二度の過酷な人生を潜り抜けてきたイネスが、
三度目の人生を「やり過ごす」ために、自分に言い聞かせている呪いのような確信とも思える言葉です。
何も知らないカッセルが彼女に触れようとするほど、
イネスが必死に守ろうとする「うまくいかないための平穏」が崩れていく。
この噛み合わない二人の行く末を見届けずにはいられなくなります。
🌹 さらに深く読み解くために
1巻の各章で提示された「違和感」を、より詳しく紐解きます。
・カッセルの視点が隠していたもの
彼が見ているイネスと、実際の彼女の間にある溝について。
📖 第1章:カッセル・エスカランテの視点
→ 物語の始まり|傲慢な勘違い
・二度の回帰が支配する、イネスの冷徹な選択
皇太子妃時代の絶望と、エミリアーノとの悲劇が彼女に何を残したのか。
📖 第2章:イネス・ヴァレスティナの視点
→ 回帰の真実と失われた記憶
・結婚後に露出する、カッセルの認識の揺らぎ
初夜という節目で、当たり前だと思っていた前提が静かに崩れ始める。
📖 第4章|結婚と初夜
→ 前提が崩れていることに気づく瞬間
・皇太子の影と、これからの関係
1巻時点ではまだ多くは語られませんが、オスカルの存在は、この先の関係に大きな影を落としていきます。
📖 関連記事
→ オスカルの求婚とイネスの拒絶
→ 6歳の回帰と再起動
📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
【日本語版漫画】
・ピッコマ(最新話先行配信)
・めちゃコミック
・LINEマンガ
・comico
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