本記事は、管理人ロゼの個人的な視点から描かれた考察です。
第3章の扉を開けると、そこにはこれまでの重苦しい回想とは一変した、どこか滑稽で、けれど切実な「日常」が待っています。
「裏切らないという言葉の裏切り」
この一見矛盾した言葉の裏側に隠された、
二人のボタンの掛け違いが、どのように生まれたのかを整理していきましょう。
📖この記事の位置づけ
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あらすじ |原作1巻3章① |「裏切らない」という誤算
🍒 カッセルの事情|無自覚な執着と実力行使
軍法などを理由にこれまで結婚を渋り続けてきたカッセルでしたが、ついに決定的な行動に出ます。
彼は既にヴァレスティナ家へ「早急な結婚を要請する求婚書」を送付しており、外堀を埋める準備を済ませていたのです。
さらには、部下のホセ・アルメナーラ少尉に命じて、イネスの身辺調査(諜報活動)を行わせます。
ホセは「結婚を破談にするための弱み探し」だと思い込み、「猫」や「ネズミ」といった暗号を駆使してコミカルに報告します。
しかし、カッセルの真意は自分でも説明のつかない「彼女への執着」にありました。
ホセの報告を通じて、自分の放蕩ぶりがイネスの周囲でいかに「日常」として冷ややかに処理されているかを知り、カッセルは初めて言いようのない衝撃を受けることになります。
🍒 イネスの事情|17年の計画が崩れる足音
一方のイネスは、カッセルから放たれた衝撃の「誠実宣言」を前に、激しい混乱の中にいました。
17年間、彼に愛想を尽かされ、円満な離婚を勝ち取るために積み上げてきた「ヴァレスティナのカラス」としての努力。
その緻密な計画が、カッセル・エスカランテの「家族を裏切らない」という言葉一つで音を立てて崩れようとしていたからです。
彼に自由を与え、自分から離れていくよう仕向けてきたはずが、
なぜか彼は逆に自分を強く求め始めている。
イネスのあずかり知らぬところで、
カッセルという「猛犬」が「誠実な夫」へと変貌しようとしている事実に、
彼女はかつてない焦りと絶望を感じ始めるのでした。
管理人ロゼの考察|17年間の要塞と、無自覚な執着の行間
イネスという女性の凄さは、その忍耐強さにあります。
カッセルに愛想を尽かされるためだけに、17年もの歳月を費やして着飾ることもせず、自分を陰気に見せてきました。
すべては、円満に離婚してくれる未来のために。
けれど、その完璧な計画は、カッセルの「誠実宣言」という名の裏切りで音を立てて崩れ去ります。
🌹「弱み」ではなく「彼女」が知りたい
ここで注目したいのは、カッセルとホセの決定的な「温度差」です。
諜報活動をゲームのように楽しむホセに対し、カッセルから返ってくるのは、ホセの予想を裏切る率直すぎる言葉でした。
「弱みは見つかりませんでした」という報告に、「それがどうして弱みなんだ?」と本気で首をかしげるカッセル。
カッセル自身、なぜ彼女を調べさせたのか、その理由を言葉にできていません。
けれど、その行間に漂う「執着の芽生え」に胸がキュンとします。
彼は弱みを握りたいのではなく、ただ、自分の知らない彼女の空白を埋めたくてたまらない。
その無自覚な渇望が、コミカルな会話の裏側で静かに脈打っています。
管理人ロゼの考察③|「賢くて、でも愚か」なカッセルの人間味
ホセの報告を受け、カッセルは一瞬だけ真実に到達します。
「イネスは自分に愛想を尽かしたのだ」と。
しかし、その直後、彼の思考は再び「ぼんやりと霞んで」しまいます。
「……知らないから、あんなことが言えるのよ」
イネスがそう呆れる通り、彼は自分の放蕩がどれほど彼女を傷つけたか(実際は彼女の計画に利用されていたのですが)を、結局は自分に都合の良い解釈で塗り替えてしまいます。
この、一瞬だけ真実が見えるのに、すぐに見失ってしまうカッセルの「賢いんだけれども同時に愚か」な人間味。
この絶妙な滑稽さこそが、カッセルという人物の大きな魅力なのかもしれません。
名セリフ考察①|崩れる計画と、芽生える誠実
この章で心に刺さる、対照的な二人の叫びをピックアップします。

「……一体、私が何をしたっていうの?
何が足りなかったのか? 何をしでかしたのかしら?」
「誠実でありたい」というカッセルの言葉が、イネスにとっては最大の裏切りになる。
この絶望的なまでの認識のズレが絶妙なスパイスになっています。

私はろくでなしかもしれないが、
君が思っているよりは誠実なんだ、イネス・ヴァレスティナ。」
女たらしで、この結婚を嫌がっていたはずのカッセル。
けれど、彼の中で「イネスの夫になる人生」以外の選択肢は1ミリも存在していなかった。
自分がどれほどこの結婚を望んでいなかったかとは無関係に、彼女以外の未来を考えたことがない。
この時点でこの勝負、勝敗は既についていたのだと確信させられます。
名セリフ考察②|ホセとカッセルのコミカルな掛け合い
この章から登場するサブキャラたちの掛け合いは、本作の大きな魅力です。
特に、ホセ・アルメナーラとのやり取りは、漫画版でも屈指のコミカルシーンとして記憶している方も多いはず。
ホセ「“猫”の意見では……また“ネズミ”が言うには――」
カッセル「……猫? ネズミ?」
ホセ「諜報には暗号が命ですので……」 (-原作1巻より-)
完全にコミカルなやり取りですが、同時にイネスの評判が世間でどう認識されているか、
品行方正で隙がないことを示す重要な役割も果たしています。
ホセが「弱み」を報告しようとするほど、
カッセルの「彼女への純粋な興味」が浮き彫りになる構造が素晴らしい。
印象的なサブキャラクター|イネスを取り巻く女性たち
侍女フアナ:イネスの唯一の理解者
イネスに幼い頃から寄り添う侍女。本作における数少ない「まっとうな人物」です。
母親以上にイネスを理解しており、時には姉のように厳しく主人を諭すことも。
「本当に趣味が特異でいらっしゃいますね」とイネスをバッサリ切り捨てる彼女の存在は、
孤独なイネスにとっての唯一の居場所であり、読者にとっても親しみやすいキャラクターです。
オルガ・ヴァレスティナ(母):確執と自責のループ
回帰後、漆黒の服しか着なくなった娘を「墓守のようだ」と嘆き、ヒステリックに責め立てる母。
彼女の厳しさは、実は激変した娘を理解できない恐怖と、熱病の際に守れなかったという自責の裏返しでもあります。
イネスとの間にある深い確執は、彼女たちが過ごしてきた空白の17年の重さを物語っています。
原作ならではの見どころ|寝室の肖像画という伏線
ここで、漫画版では後から回収される「肖像画」の描写について。
イネスは顔をしかめ、寝室の壁に掛けられた肖像画へと視線を向ける。
「……あの忌々しい子どもが」(-原作1巻より-)
10歳の頃に送り合った肖像画が、今も互いの寝室に飾られているという事実。
カッセルがホセを使ってまで彼女を調べさせたのも、朝な夕な、この肖像画の中の彼女を見つめ続けてきたからかもしれません。
疎遠を装いながらも、視線だけは互いを捉えて離さない。
序盤からすでに、二人の「呪いのような縁」の深さが示されています。
まとめ|「裏切らない」から始まる絶望と希望
この章では、
・イネスの計画の崩壊の予感
・カッセルの一途さの片鱗
・二人を取り巻くサブキャラたちの存在感
・そして肖像画という伏線
これらがコミカルな会話劇の中に自然に織り込まれています。
イネスにとっては「絶望の始まり」ですが、読者にとっては「溺愛への期待」が膨らむ第3章。
カッセルは、自分を捨てようとしているイネスの手を、無自覚に、けれど強く握りしめてしまう。
「犬がどうやって急に人間になるっていうの?」(-原作第1巻より-)
イネスは皮肉を込めてこう言い放ちます。
彼女の努力が報われない(=離婚できない)予感が、これほど心地よく響く章もありません。
📖 この章で描かれている違和感は、1巻全体の構造の中で見るとよりはっきりしてきます。
→ 原作1巻総括|すべての始まりに隠されたすれ違いを整理
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📖 今回のエピソード対象範囲
| プラットフォーム | 対象話数 |
| ピッコマ・LINE漫画・comico(※配信開始) | 11話〜12話相当 |
| めちゃコミ | 該当12話〜13話相当 |
📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
【日本語版漫画】
・ピッコマ(最新話先行配信)
・めちゃコミック
・LINEマンガ
・comico
📖 原作小説・漫画(韓国語版)について
管理人ロゼは、完結までの物語を見届けた後も、以下の公式配信サイトで大切に作品を追い続けています。
- 原作小説:韓国公式サイト(RIDI)にて配信中
- 原作漫画:kakaopage
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※本記事は作品内容の分析・評論を目的としたものであり、原作の翻訳全文を掲載するものではありません。