本記事は、管理人ロゼの個人的な視点から描かれた考察です。
夏の終わり、6歳のイネスは首都メンドーサにいます。
イネスはパーティー会場でカッセル・エスカランテと再会します。
オスカルの執着を断ち切るには、別の婚約者が何としても早急に必要でした。
しかしイネスが相手を選ぶのは、愛のためでも、幸福のためでもありません。
「結婚はするが、いつか消えるべき男」——
その冷静な基準の果てに、
カッセル・エスカランテという名前が残りました。
📖この記事の位置づけ
◀第2章⑤|回帰の仮説と「カッセル・エスカランテ」(前の記事へ)
第2章⑥|「世界で一番ハンサムな男」と結婚する(この記事)
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あらすじ|原作1巻2章 イネス・ヴァレスティナの視点⑥
夏の終わり、イネスはパーティーでカッセル・エスカランテと再会する。
その美貌はかすかな記憶を遥かに超えていた。
オスカルはカッセルへの嫉妬を隠そうともせず、「大人になれば禿げる」「女として生まれた方がよかった」と陰口を叩き続ける。
イネスは、オスカルの言葉をことごとく切り返しながら、内心で静かに考え始める。
このままオスカルの執着を放置すれば、いずれ婚約を強引に進められる。
それを防ぐには、別の婚約者が必要だ。
エンリケ・オソルノ、
ダンテ・イハル、
レオナルド・ヘルベス
——候補を一人ずつ検討するが、それぞれに問題があった。
健康すぎて長生きする男、印象が薄い男、それから、まだ1歳の赤ん坊。
そして、その目はカッセル・エスカランテへ向かう。
イネスは遠いかつての人生の記憶を手繰り寄せる。
—— 女癖の悪さ、責任を嫌う性格、しかし誰も傷つけない
これらすべてが「離婚しやすい夫の条件」に一致した。
そうしてイネスは、父であるヴァレスティナ公爵に向かって宣言した。

「世界で一番、ハンサムな男性と結婚することにしました。」
父は笑い、承諾した。
考察01|オスカルの執着——嫉妬が戦略を明かす
オスカルは、終始カッセルへの嫉妬に支配されています。
「大人になると半分はダメになる」
「女として生まれた方がよかった」
「禿げるに決まっている」
「エスカランテ公爵の額を見てみろ」と。
次々と繰り出される陰口は、言えば言うほど自滅していきます。

「夢もない! 考えもない! 頭の中にも何もない!
君には、あんな奴では不十分だと言っているんだ!」
(引用:原作1巻)
イネスにとって、このオスカルの言動は二重に有益でした。
一つは、弄ぶ素材として。
もう一つは情報として。
かつて皇太子妃だった時代、オスカルは常にカッセルに嫉妬し、決して並んで立とうとすらしなかった。
かつてのオスカルが、カッセルについて暴露しない事実こそが、彼に致命的な欠点がないことの証明でもあった。
嫉妬で正気を失った皇太子が黙っているということは、
それ以上の弱点がないということを意味するからだ。
🌹 オスカルがカッセルの陰口を叩けば叩くほど、イネスの小さな頭の中で、ますます冷静にカッセルへの確信が深まっていく様子が鮮やかに描かれています。
「カッセルの未来を先んじて貶めるためなら、自分の言葉一つでメロメロになる伯父まで引き合いに出す、その緻密さ。しかし、すべては無駄なことだ。」
(引用:原作1巻)
オスカルは、そうとは知らずに、自分がカッセルを推薦していることにまったく気づいていないようです。
名セリフ考察①|オスカルが暴露したカッセルの本質
「あの男は、一生女の問題ばかり起こす奴だ!」
オスカルは、次から次へとカッセルの悪口を並べ立てていきます。

『あなたは男の問題も引き起こすだろうけどね。』
イネスは心の中でつぶやきながら嘲笑います。

イネスのこのセリフ、
クスリと笑ってしまう読者も多いのではないでしょうか。
そして、さらにイネスの頭の中ではこんな分析がなされています。
おそらく「ハンサム」という言葉では表現が足りないくらいだ。
頭の先からつま先まで完璧すぎるから。
むしろ、女として生まれていたら……と。
カッセル・エスカランテがもし女性であったなら、あの頃、オスカルがイネスに与えたあらゆる苦難は、そのまま彼のものとなっていただろう。
(引用:原作1巻)
考察02|危機認識——「手に入らない褒賞」になるために
イネスは婚約を急いでいた。
このままでは、手に入らない月を追い求める、幼い皇太子の執着をただ弄んでいるに過ぎないではないか。
オスカルの執着を「弄ぶ」だけでは足りない。
自分が「本当に手に入れられない褒賞」になる必要があった。
そのためには、
どうしてもオスカルではない別の「婚約者」という現実が必要だった。
🌹 オルテガの法が生む「唯一の扉」
ここで知っておかなければいけない前提を整理します。
オルテガ帝国における女性の法的地位についてです。
未婚の女性は財産の決定権を持てない。
しかし、結婚して夫を「失った」女性は、法的に完全に独立した人格として認められる。
死別でも、離婚でも、行方不明でも——夫がいなくなった瞬間に、すべてが変わる。
イネスが目指すのは「結婚はするが、夫のいない女性」という状態でした。
皇后でも皇太子妃でもない。
「結婚して、夫がいない女性」が、帝国で最も成功した女性の姿だと彼女は確信していました。
考察03|婚約という解決策——愛ではなく、戦略の選択
イネスの婚約者選びの基準は、徹底的に合理的です。
愛情も、相性も、幸福も関係ない。
「いつか法的に自分の人生から消えるべき男」
それだけが条件でした。
消え方は二種類。
早死にする相手か、離婚できる相手か。
しかしイネスは前者を候補から外しています。
夫をどうやって人生から排除するかを考え続けるような人生は、
オスカルとの最初の人生で十分だったのです。
殺伐とした人生は、もう真っ平ごめんだった。
名セリフ考察②|「完璧だわ」——戦略として選ばれたカッセル
候補者を次々と除外したイネスの目が、ついにカッセルへ向かいます。

「……完璧だわ……!」
ここからイネスの内部分析が始まります。
イネスが言う「完璧」は、美しさのことではありません。
「離婚しやすい夫の条件」としての完璧さです。
かつての人生において、
・女癖が悪く有名だが、妻を持ったことはない。
・口実は自ら撒き散らしながら歩くが、オスカルのような忌まわしい性癖も一切ない。
・カイエターナ(※皇后・オスカルの母)も邪魔をしないだろう。
いや、エスカランテはイハルやヘルベスといった貴族たちとの政治的対立から考えても、むしろ皇后が歓迎する縁組みだ。
オスカルが「保証した」という逆説。
イネスの確信の根拠の一つが、オスカルの嫉妬だった。
もしカッセルに致命的な欠点があれば、嫉妬で正気を失った皇太子がとっくに暴露していたはずだ。
カッセルへの陰口が「禿げる」「女として生まれた方がよかった」という程度に留まっているという事実が、逆にカッセルの「清潔さ」を証明していた。
そしてイネスは父・ヴァレスティナ公爵に宣言します。
「世界で一番ハンサムな男性と結婚することにしました」
「顔がいいから」――純真な理由は、子どもの言葉として完璧に機能した。
「大人の心は、大人の記憶を持つ子どもが最もよく理解しているものだ。」
(-原作第1巻より-)
原作小説ならではの見どころ|笑えるのに、少し冷たい
この章は、久しぶりにコミカルな場面が続きました。
「禿げ」を巡るオスカルとの駆け引き、
父娘の会話、
カッセルを取り巻く令嬢たちへの観察。
——読みながら思わず笑ってしまうシーンが多い章です。
しかしその笑いの底に、冷えた現実があります。
イネスが候補者たちを品定めしながら、「考えるだけで罪を犯してしまったような気分だった」と感じる場面があります。
かつてのオスカルとの結婚生活が、彼女をここまで変えてしまったことへの静かな自覚。
笑えるのに、読み終えると少し胸が重い。
この温度差の使い方、さすがです。
まとめ|「世界で一番ハンサムな男」と結婚する
今回の考察では、
- オスカルの嫉妬が逆にカッセルの「清潔さ」を保証した構造
- イネスの危機認識:「本当に手に入れられない景品」になるための婚約
- オルテガの法と「結婚はするが夫はいない女性」という目標
- 候補者リストと除外の論理:オソルノ、イハル、ヘルベスの公子たち
- 「完璧だわ」:戦略の終着点としてのカッセル・エスカランテ
について整理しました。
📖 この章で描かれている違和感は、1巻全体の構造の中で見るとよりはっきりしてきます。
→ 原作1巻総括|すべての始まりに隠されたすれ違いを整理
📚この記事を読んだ方へ
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→ 完全ガイド
▶ 登場人物を整理したい方はこちら
→ 人物相関図
📖 今回のエピソード対象範囲
| プラットフォーム | 対象話数 |
| ピッコマ・LINE漫画 | プロローグ・複数話に回想として分散 |
| めちゃコミ | 該当回想部分 |
📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
【日本語版漫画】
・ピッコマ(最新話先行配信)
・めちゃコミック
・LINEマンガ
・comico
📖 原作小説・漫画(韓国語版)について
管理人ロゼは、完結までの物語を見届けた後も、以下の公式配信サイトで大切に作品を追い続けています。
- 原作小説:韓国公式サイト(RIDI)にて配信中
- 原作漫画:kakaopage
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※本記事は作品内容の分析・評論を目的としたものであり、原作の翻訳全文を掲載するものではありません。