🌹 原作小説『この結婚はどうせうまくいかない』第3巻9章を高解像度あらすじ形式で構成しています。
本記事は、管理人ロゼの個人的な視点による考察を含みます。
本文中の会話・台詞は、原作の表現を適宜引用しています。
執事は、全部聞いていた
書斎を出たカッセルの背中を見送った後、二人の従者だけが残された。
ここからが、本当の対決だった。
📖この記事の位置づけ
◀ 第9章⑦-1|イネスは知らないことなどないからな(前の記事へ)
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あらすじ|火種はどこにでもある⑦-2
盗み聞きする形になったアルフォンソ。
それに気づいていたラウル。
二人きりになった途端、抑えてきたものが噴き出す。
アルフォンソはイネスを「欠陥品」と呼び、主人を欺く結婚だったと断じて、イネスが自ら明かさないなら自分が大尉に告げると宣言した。
ラウルは静かに応じる。
孤児だった自分に、名前も、食べ物も、文字も、全てを与えたのはイネスだった——と。
対決は決着せず、秘密の行方はラウルに委ねられた。
ご機嫌が優れないようですが
「ドン・アルフォンソ、今日はどうもご機嫌が優れないようですが」
ラウルは穏やかに笑いながら話しかけた。
「……それが正しいでしょう。実のところ、今日だけではないのでしょう?」
アルフォンソの痩せた顔に、瞬時に怒りが宿った。
「憎らしいやつめ」
彼はもう隠さなかった。
あの者たちはいつからエスカランテを、大尉様を欺いていたのか。
奥様は何も知らないふりをして女主人のように振る舞い、大尉様は少年のように奥様に夢中だ——と。
ラウルは、書斎に新しく掛けられた幼いイネスの肖像画とアルフォンソの間を、遮るように立った。
欠陥品
アルフォンソの言葉は、容赦がなかった。
「その飾りを剥ぎ取ったら何が残るか見てみよう。哀れにも原因不明の肺病に罹った貴様の奥様が、実はただの狂った女に過ぎなかったということだ」
年老いた執事から消えた怒りが、今度はラウルの瞳に燃え移った。
アルフォンソにとってイネスは、生まれ持った名前がいかに偉大でも、エスカランテ家の長男には相応しくない「欠陥品」だった。
それを隠したまま結婚したことも、主人を欺いた行為にしか見えていない。
エスカランテ公爵が知れば、イネスはラゴスの修道院に閉じ込められるだろう。
厳粛な婚姻の契約を欺いた以上、ヴァレスティナ家にも反論はできないだろう——。
あの方の肩についた埃一粒でさえ
「……ドン・アルフォンソ。せっかくネズミのように盗み聞きなさったついでに、もう一つ思い出させて差し上げますが——」
ラウルは静かにアルフォンソを見た。
「私が今、バルコニーの外の石畳にあなたを投げ捨てたら、どうなりますか?」
五分後には死んでいるでしょう。
全く突然に。
自分がいつ死ぬかさえ知らないまま——。
「私は最初から最後まで貴方のような人間とは違う。貴方にとって世間が当然のように与えた全てを、イネス様が私に与えてくださったのです」
親も名前もなかった孤児に、名前を与え、食べ物を与え、服を与え、文字を教えた。
「そうやって道端で死にかけていた子供を救ってくださったのです」
——あの時、イネス自身もまだ子供だった。
「どんな狂人でも他人をそれほど世話することはできません。あの方は私にとって、世間の言う神と何ら変わりありませんでした」
「あの方の肩についた埃一粒でさえ、貴方の全てより優れています」
今は貴様にかかっている
「貴方がセニョーラに向かってどれほどのことを言ったか、大尉様がお知りになれば——果たして貴方の言い分に賛成してくださるでしょうか」
ラウルは冷ややかに続けた。
「貴方の言う通り、私どものセニョールはセニョーラに少年のように夢中ですから。賛成どころか、それだけでは済まないかもしれませんが」
それでも、アルフォンソは引かなかった。
「結局は、聞いたことすらないようにやり過ごすだろうと分かっている。
お二人は長く一緒にいるだろう」
それでも事実を明らかにしたいのは、
最初からイネスを悲惨な身の上に追いやりたいからではなかった。
「少なくとも、もう無駄な努力はなさらないようにということだ」
自分がどんな女と結婚したのかも知らないまま、
カッセルがイネスのためにあれほど尽力する姿を、もう見ていられないのだと。
アルフォンソは断固とした口調で答え、ラウルから目をそらした。
「しばらくは耐えよう。無意味な知らないふりも貴様と一緒にしてやろう。大尉様が望む通りにする」
ただし、それにも期限があった。
「セニョーラが直接明かさないなら、貴様の口が開かないなら、私がする」
「それがエスカランテ大尉様の耳にでも入ったら……」
ラウルが言いかけると、アルフォンソは続けた。
「事が露見して終わりを迎えるのか。それとも官邸の使用人たちから始まり、セニョーラと交流する人々へ噂が広まり、結局はオルテガ中がセニョーラの過去を知ることになるのか」
「……。」
「ああ。今は貴様にかかっているのだな。貴様には神のようなセニョーラが」
▶ 次の話(続き)【第9章|火種はどこにでもある】
→第9章⑧|大切に育ててきたわけではなかった(※更新予定)
📖 今回のエピソード対象範囲
| プラットフォーム | 対象話数 |
| ピッコマ・LINE漫画・COMICO | 第44話相当 |
| めちゃコミ | 第45話相当(推定) |
📖 作品情報・配信プラットフォーム
この結婚はどうせうまくいかない 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
日本語版漫画
韓国語版(原作)
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