この結婚はどうせうまくいかない

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この結婚はどうせうまくいかない 原作3巻8章⑱|一週間、ずっとそのことだけを考えていた【ネタバレ】

「全部買ってやる」と言ってから一週間。カッセルはアリバイを作り、放蕩者たちを尋問して回り、ひそかに宝石店へ向かいました。ところが店は休業。たどり着いた古びた質屋で、イネスが二度も訪れ、買えずに帰ったネックレスの存在を知ります。【ネタバレあり】
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この結婚はどうせうまくいかない 原作3巻8章⑯|君が死ぬかと思ったんだぞ、イネス【ネタバレ】

一睡もしていないカッセルが、朝の寝室でイネスを待っていた。たいしたことじゃないと説明しようとしたイネスに、彼は泣いた。傷ついて、部屋を出て行って——それでも戻ってきた最初の言葉が「宝石は綺麗だったか?」だった。カッセルが離れていかなかったことに、イネスは安堵してしまっていた。これは決して良い兆候ではなかった。
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この結婚はどうせうまくいかない 原作3巻8章⑮|夢の中でさえ、彼は死に続けた【ネタバレ】

夢の中でさえ、エミリアーノは死に続けた。4年間、毎日のように。目覚めても地獄、眠っても地獄だったあの日々が、この夜ふたたびイネスを飲み込んだ。夢はまた過ぎ去り、彼女はまた生き残った。朝の明るさの中、一睡もしていないカッセルがそこにいた。
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この結婚はどうせうまくいかない 原作2巻8章⑫|時々、ここにいらっしゃらないような気がするんです【ネタバレ】

倒れたのはイネスだった。しかし顔色が悪かったのはカッセルだった。使用人たちが「大尉様があの時戻ってこられなかったら」と繰り返すたびに、彼の顔はさらに灰色になった。館全体が慌てふためく中で、ラウルだけが落ち着いていた。慣れていたからだ。「時々、ここにいらっしゃらないような気がするんです」——その言葉の意味を知っているのは、イネスだけだった。
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この結婚はどうせうまくいかない 原作2巻8章⑪|あなたがそんな顔をするのは初めて見た【ネタバレ】

エミリアーノはビルバオにいる。宝石商への手紙は届かない。本物の首飾りは手の中にある。それでもイネスは息ができなくなった。倒れる瞬間に見えたのは、蒼白に顔を歪めたカッセルだった。あなたがそんな顔をするのは初めて見た——それだけを思った。
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この結婚はどうせうまくいかない 原作2巻8章⑩|エスカランテよ——崩れ始めたイネスと、嫌な予感【ネタバレ】

逃げるように出て行った女が、数時間後に戻ってきた。冷たく、攻撃的で、一切の駆け引きを拒んだ。店主ドン・ロサーノには、この件にこれ以上関わるべきではないという確信だけが残った。かんらん石のメダルを見た瞬間から、イネスはもう正常ではいられなくなっていた。
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この結婚はどうせうまくいかない 原作2巻8章⑨|どうか私を覚えていないで【ネタバレ】

エミリアーノは床ばかり見つめ、どうしても言葉を続けられるずにいた。イネスは、すべてにときめいた。すべてが彼女の知っていたものと違っていた。愛されていた記憶が、そのまま罪悪感へ変わっていく。冷たい宝石の上へ唇を埋めながら、イネスは呟いた。どうか私を覚えていないで、と
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この結婚はどうせうまくいかない 原作2巻8章⑧|V.O.——過去が、現在に穴を開けた【ネタバレ】

馬車が動いた。向かいの陳列台が現れた。考えるより先に、足が動いていた。エル・タベオの旧市街で、イネスはかんらん石のメダルを手に取り、裏返した。刻まれていたのは「V.O.」——祖母の旧姓だった。カルステラの静かな日々に、過去が穴を開けた。
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この結婚はどうせうまくいかない 原作2巻8章⑦|天下のカッセル・エスカランテも、恋に落ちては形無しだな【ネタバレ】

「天下のカッセル・エスカランテも、恋に落ちては形無しだな」——大佐には丸見えだった。カッセルは否定した。愛じゃない、都合が良いだけだ、と。しかし否定の仕方そのものが、完全に恋している男のものだった。イネスが怒らない、疑わない、感情をぶつけてこない。その物足りなさの正体に、カッセルはまだ気づいていない。
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この結婚はどうせうまくいかない 原作2巻8章⑥|嫉妬よ——可哀想なカッセル・エスカランテ【ネタバレ】

マリア・ノリエガを一目見て、イネスは「完璧だわ」と思った。執着があり、美しく、カッセルへの感情が本物。必要な条件をすべて満たしていた。カッセルをマリアの馬車に乗せ、ラウルに尾行を命じ、嫉妬よと即答した。その答えは冗談のようで、けれど本人だけは、実は少しも笑っていなかった。