原作小説『この結婚はどうせうまくいかない』第2巻第8章⑩をネタバレ考察します。
本記事は、管理人ロゼの個人的な視点から描かれた考察です。
ドン・ロサーノは、かんらん石のメダルに本能的な不快感を覚えた。
質屋の品物は、あらゆる疲れた事情を抱えてやってくるものだが、
この品ほど一目で嫌な予感を覚えたことはなかった。
📖この記事の位置づけ
◀第8章⑨|どうか私を覚えていないで(前の記事へ)
第8章⑩|エスカランテよ——(この記事)
▶ 第8章⑪|あなたがそんな顔をするのは(次の記事へ)
一覧で読む
▶ この結婚はどうせうまくいかない 考察一覧
あらすじ|人魚と兵士 ⑩
逃げるように店を出て行った女が、数時間後に戻ってきた。
「売ってください。」
ドン・ロサーノは断った。
持ち主がいる、値段がついていない。
だから、売れないと。
しかしイネスは引かなかった。
値を吊り上げるつもりなら無駄よ、言い値で払うから、名前を言いなさい——と。
最後にイネスは言った。
「私はオリバレスじゃありません。エスカランテよ。」
店主は口を開けたまま、出て行く女の後ろ姿を見ていた。
逃げるように出て行った女が戻ってきた
最初に店の外で見た時、
ドン・ロサーノはイネスを物憂げで清らかな女だと思った。
しかし戻ってきた女は、別人のようだった。
冷たく、攻撃的で、一切の駆け引きを拒んだ。
値段を尋ねる前に「値を吊り上げるつもりなら無駄」だと言い放ち、
持ち主の名前を告げるよう要求し、断られると、

——「死んでも言えないの?」
そう問い返す視線は、刺すように鋭かった。
ドン・ロサーノは生きてきてあまり見たことのない美人だと思ったが、
この目の前の女は美しいというより、恐ろしかった。
イネスは、普段の彼女ではなかった。
かんらん石のメダルを見た瞬間から、彼女の中で何かが崩れ始めていた。
店主が感じた「異物の感覚」
ドン・ロサーノは商売人だった。
あらゆる事情を抱えた品物を扱ってきた。
痴情のもつれ、脅迫、盗品——疲れた事情はいくらでも見てきた。
しかしこの品だけは、一目で本能的な不快感を覚えた。
女の身分が分かるにつれ、その不快感は大きくなった。
グランデス・デ・オルテガの17家門のうちの1つ。
オリバレス。
そして、エスカランテ。
エル・タベオで、あんな家柄の女性が直接歩き回る理由など何があるのか。
それほどの女が、なぜこの古びた質屋で、値段もついていない骨董品に執着しているのか。
祖母の忠告が耳の奥でこだました。
『すごい家柄ほど関わっちゃいけないんだよ』と。
メダルの持ち主を思い浮かべると、善良そうな笑顔がまず浮かんだ。
どういうわけか良心が咎めるような笑顔だった。
「エスカランテよ」
「……その方にこの名前をお伝えください。
「…………」
「ヴェリンダ・オリバレス。」
「私はオリバレスじゃありません。エスカランテよ。」
(引用:原作2巻)
持ち主に知っていると言われたら自分に伝え、
知らないと言われたら伝えなくてよい。
イネスは店主に素性を明かし、そう告げた。
エスカランテという名前は、戦争の英雄・カルデロン提督の一族であり、
この軍港都市では時に皇族よりすごいものとして噂された。
そしてそのエスカランテ大尉の妻が、今ここで、
値段もついていない骨董品を前に、
まるで何かに追い立てられるように、言葉を重ねていた。
店主には、
これ以上この件に関わるべきではないという確信だけが残った。
平穏な日々にあいた、一つの穴
かんらん石のメダルを見つけた瞬間から、
イネスの中で何かが崩れ始めていた。
店主の目には、
彼女が何かに追い詰められているように見えた。
しかしイネスにとって、これは恐怖だった。
エミリアーノがこの首飾りを売った。
同じ街、同じ店に、彼がいたのか——その事実が、平静を保つために積み上げてきたすべてを揺さぶっていた。
📖あわせて読みたい
ルカを失った母としての記憶。
イネスが背負う「回帰の罰」を整理しています。
▶ イネス・ヴァレスティナの回帰|ルカが示す「記憶という刑罰」
回帰直後のイネスを描く物語の出発点。
なぜ彼女が人生そのものを終わらせようとしたのかを追います。
▶ イネス・ヴァレスティナの視点
原作1巻 第2章①|死を選んだ最初の人生
📚この記事を読んだ方へ
▶ 次の話(続き)
→第8章⑪|あなたがそんな顔をするのは
▶ まとめて読みたい方はこちら
→ この結婚はどうせうまくいかない 考察一覧
▶ 作品全体を理解したい方はこちら
→ 完全ガイド
▶ 登場人物を整理したい方はこちら
→ 人物相関図
📖 今回のエピソード対象範囲
| プラットフォーム | 対象話数 |
| ピッコマ・LINE漫画・COMICO | 第35話相当 |
| めちゃコミ | 第36話相当(推定) |
📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
【日本語版漫画】
・ピッコマ(最新話先行配信)
・めちゃコミック
・LINEマンガ
・comico
📖 原作小説・漫画(韓国語版)について
管理人ロゼは、完結までの物語を見届けた後も、以下の公式配信サイトで大切に作品を追い続けています。
- 原作小説:韓国公式サイト(RIDI)にて配信中
- 原作漫画:kakaopage
※海外サービスのため、日本からの利用条件は事前確認をおすすめします。
【免責事項】
※翻訳方針については当サイトの「翻訳・引用ポリシー」をご確認ください。
※本記事は作品のテーマを考察するものであり実在の行為を推奨・肯定する意図はありません。
※作品の引用・翻訳は著作権法の範囲内で行い、引用元を明記しています。
※本記事は作品内容の分析・評論を目的としたものであり、原作の翻訳全文を掲載するものではありません。