ベルグラーノの外では、群衆の声が止まなかった。
「イネス・エスカランテに自由を!」「ベルグラーノの門を開けろ!」
要塞が最初の地鳴りのような歓声を聞いてから、
すでに5時間が経過していた。
ネタバレ注意
ここから先は、重大なネタバレを含みます。
第16章「川はみな海に注ぐが、海は満ちることがない㉒
監獄の中の反乱
外から「要塞を開けろ」と騒がしければ、
中の囚人たちも大人しくしているはずがなかった。
反乱を起こした数名が脱獄に成功し、
「セニョーラ・エスカランテを人質に取ろう」と考えてイネスを探し始めた。
しかし彼らは道に迷って射殺されるか、再び拘禁され、
唯一彼女の部屋の前まで辿り着いた者は、
それと気づかずに通り過ぎようとして頭に銃弾を浴びた。
「当然ね。私の身代金がいくらだと思っているの……」
イネスが即座に肯定した一方で、セラーノ子爵の精神は完全に崩壊していた。
子爵の奮闘
囚人たちは、鉄格子の前を通るたびに、わざと大声で汚い言葉を吐き散らした。
子爵はその都度憤然と飛び出しては、即刻処刑を命じていたが、
それも明白な越権行為だった。
イネスは六人を超えたあたりで、若干申し訳ない気持ちになり、忠告した。
「処刑するほどのことではありませんよ。一様に、あの汚い舌先が問題なのですから、舌でも引っこ抜いてしまえば静かになるでしょう」(引用:原作7巻)
子爵は思わず耳を疑った。
そういえば、身体の一部を損壊させる処分は規則に反しないことを思い出した。
以後、三人の舌を切り落とさせた。
「本当に、魔法のように静かになりました。
やはり英明でいらっしゃいます、セニョーラ……」(引用:原作7巻)
証拠は証拠らしく
真夜中を過ぎた頃、皇帝の近衛兵を従えた馬車が、要塞へと疾走してきた。
イネスは子爵に席を外させると、
セラーノ子爵夫人の清潔な服を脱ぎ、血に染まったアンダードレスを身にまとった。
「証拠は、証拠らしくあらねばならないでしょう。」(引用:原作7巻)
「私は外へ出たら、ベルグラーノで二日間の間に受けた『非道な扱い』についても供述するつもりよ、子爵」
子爵は青ざめた。
「ここにいた時間が短すぎるもの。このままでは、せっかくの苦労が軽く見られてしまうわ」
「その代わり、あなたが一番嫌っている上官の名を挙げてあげる。
その者が去った席には、あなたが座ればいい」
「私は往々にして恩義を記憶し、それを返す人間なのよ」(引用:原作7巻)
セラーノ子爵は、感動を通り越して、神を見たような顔になっていた。
釈放
「主君を代理する権限を以て、イネス・エスカランテ・デ・ペレスの釈放を命じる!」
大慌てでイネスのいる監房まで駆け上がってきた皇帝の侍従長が、
窒息して死にそうなほど息を荒く弾ませながら、言い放った。
命令が下るや否や、背後に立って待機していたミゲルが、
大股でズカズカと部屋を横切ってイネスを抱きかかえた。
—— 城門が開かれた。
彼らは群衆の割れんばかりの歓呼の中を通り抜け、
馬車へと乗り込んだ。
血まみれの姿のまま現れた、小公爵夫人を発見した城門前の人々は、
ある者は大声で皇太子を呪詛し、
またある者は、涙を流して馬車の後ろを追いかけた。
馬車の中では、イサベラが慟哭するように泣き叫んだ。
イネスはどうしていいか分からず、申し訳なく思いながら、
その膝の上に頭を預けて眠りについた。
皇帝は、イネスを釈放すれば暴動も収まると考えていたのだろう。
しかし、その目論見は完全に外れた。
十日が過ぎても、メンドーサが静まることはなかった。
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📖 原作6巻を振り返る
▶ 原作6巻総括|神は救わない。それでも人は救われていく
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→6巻以降の読み方ガイド
※本記事の人名・地名は原作ベースの仮訳です。今後の公式翻訳により表記が変更される可能性があります。
📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
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