「恋人じゃないから美しかった」は本当?|りくりゅうの婚約で考えた、名前のつかない男女の絆

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フィギュアスケートの“りくりゅう”こと、三浦璃来選手と木原龍一選手が婚約した。

おお、そうだったのか。

私は普通に「おめでとう!」と思った。

ところが、あとからいろいろな反応を見ていると、

「恋人じゃないから美しかった」
「恋愛ではないのに、あれだけ深く信頼し合っている関係がよかった」
「恋人だったと知って、ちょっと冷めた」

みたいな声もあるらしい。

へえ。

そういうふうに感じる人もいるのか。

……でも、なんで?

ここがどうにも引っかかった。

恋人だったら、何が変わるんだろう

そもそも「恋人」って、そんなに絶対的なものなんだろうか。

「今日から付き合いましょう」

と言った瞬間、それまでの二人とはまったく違う関係になるのか。

私は昔から、ここがよく分からない。

友情とか、恋とか、愛とか、信頼とか、家族愛とか。

人間はいろんな名前をつけるけれど、実際の気持ちって、そんなにきれいに分かれてる?

まして、りくりゅうは長い間一緒に競技をしてきたペアだぞ。

調子がいいときだけ一緒にいたわけじゃない。

怪我もあっただろうし、うまくいかない時期もあっただろうし、大きな大会のプレッシャーもある。

しかもペア競技って、ものすごい。

自分の身体を相手に預けるし、相手の身体も預かる。

信頼していない人とできるわけがない。

そうやって何年もかけて作ってきたものが、

「実は恋人でした」

と分かった途端に、急に別物になる?

私はならないと思うんだけどね。

恋愛感情があったら、それまで見てきた信頼まで全部「恋愛だったから」になるんだろうか。

別にいいと思うけどね。

恋人でもあり、親友でもあり、戦友でもあり、最高のパートナーでもある。

全部あっていいと思う。

というか、恋愛ってそんなに「生々しい」ものなのか

「恋人ではない男女だから美しかった」という感覚があること自体は分かる。

男女が仲良くしていると、すぐ「付き合ってるの?」となるし。

だから恋愛じゃないのに深く結びついている男女というのは、確かに特別に見えるのかもしれない。

でも、

恋愛だったら、その美しさは消えるの?

となると、やっぱり分からない。

たぶん私は、恋愛をそれほど独立した感情だと思っていないんだと思う。

ものすごく信頼している。大切に思っている。

相手が苦しいと自分も苦しい。うまくいけば自分のことみたいに嬉しい。

何かあったときにはそばにいたい。
できれば、この先もずっと一緒にいたい。

そこまで来て、

「これは友情です」
「ここから先は恋愛です」

って、線を引けるものなんだろうか。

どこから?(笑)

名前は、あとからついてくるものじゃないのかな

物語を読んでいても、私は「これは友情なのか恋なのか」にはあまり興味がない。

それより、

この人にとって、この人はどれだけ大事なのか。

そっちが気になる。

「愛してる」と言ったかどうかも、それほど重要じゃない。

口では何とでも言えるし(笑)。

それより、何をしてきたか。何年一緒にいたか。

苦しいときにどうしたか。相手をどう扱ったか。

結局そっちじゃないのかな。

だから「恋人だった」と分かっても、

「なーんだ、恋愛だったのか」

とは私はならない。

むしろ、

あれだけ一緒にいろんなことを乗り越えてきた二人が、これからの人生も一緒にいることにしたんだな

と思う。

それでいいじゃん、と。

結婚だって、二人が一緒にいるための形でいい

結婚についても、私は似たようなことを思っている。

結婚したから突然「家族」になるというより、もう十分に大切な人だから、この先も一緒に生きていくために結婚する。

順番はそっちなんじゃないかな。

もちろん結婚は制度だから、現実的な意味もいろいろある。

夫婦になれば社会的にも家族として扱われる。

だったら、ずっと一緒にいたい二人がそれを使えばいい。

なんか身も蓋もないけど(笑)。

だから今回も、

「二人、恋人だったんだ!」

という驚きより、

「ああ、この先も一緒にいるんだ」

という感じだった。

それに、そのほうが自然だなと思ったよ。

で、ここからなぜか『真珠夫人』に行く

ここまで考えていて、ふと思った。

私はたぶん昔から、

本当に深く結びついている二人なら、一緒にいればいい

と思っている。

昔の物語には、身分違いだとか家の事情だとかで、愛し合っている二人が引き裂かれる話がよくあった。

でも、あれって、二人を引き裂けば、それで終わりじゃないんですよね。

AとBを引き離す。
そのあとAがCと結婚して、BがDと結婚する。

でもAとBは、お互いを忘れていない。
そうなると、傷つくのはAとBだけじゃない。

何も悪くないCとDまで巻き込まれる。

だから私は、ものすごく単純に、

本当に愛し合ってる二人を無理やり引き離すと、ろくなことがおこらん。

と思っている(笑)。

ここまで考えたところで、突然『真珠夫人』を思い出した。

あれはまさにそう

瑠璃子と直也を引き裂いた結果、二人だけじゃなく、その後の人生に関わった人たちまでえらいことになった。

ほら。

だから引き裂いちゃいけないのよ。

なんで、りくりゅうの婚約から『真珠夫人』に着地するんだ。

自分でも分からない(笑)。

でも瑠璃子と直也を思い出したら、

ほら! だから愛し合ってる二人を引き離すと、ろくなことがおこらんのよ!

と、ものすごく言いたくなってしまった。

『真珠夫人』の細かい話は、もうかなり忘れている。

でも、忘れているのに、そこだけ妙に残っている。

なので、その話は次の箱で。

とりあえず今回は。

三浦璃来選手、木原龍一選手、ご婚約おめでとうございます。

恋人でも、夫婦でも、ペアでも。

まあ、名前なんて何でもいい。

二人が一緒にいたいなら、一緒にいればいい。

それが一番いい。