執行猶予⑤|101話 嬉しい知らせ ─ 9月の風と、序幕の終わり

執行猶予⑤|101話 嬉しい知らせ ─ 9月の風と、序幕の終わり 原作本編

🌹 本記事は『バスティアン』原作101話をもとに、高解像度あらすじ形式で構成しています。
会話部分は原作の表現を引用しています。

父の葬儀から四日が経っていた。

オデットは高熱の中で目を覚まし、現実を一つひとつ確かめた。

父が死んだ。
ティラが妊娠した。

バスティアンが帰ってきた。

四日間の空白

四柱ベッドにかけられたレースのカーテンの模様を数えていたオデットは、
長いため息をつきながら体を起こした。

「丸四日、寝込んでいらっしゃいました」

ドーラが窓を開けると、
アルデンヌの空と海が一枚の絵のように穏やかに漂っていた。

「旦那様が今日、アルデンヌにお戻りになるとのことです」

一瞬ぼう然としたオデットの眼差しが、かすかに揺れた。

ヴェールを外してバスティアンを見つめた瞬間に止まっていた記憶が、
急な潮流となって流れ始めた。

バスティアンは葬儀の間ずっとオデットのそばにいた。
誰もが感服するほど模範的な夫として。
そしてその芝居を最後まで完璧に演じるつもりなのだろう。

この結婚の結末を決める権利は、全面的にバスティアンにあった。
自分に残されたのはただ従順である義務だけだという事実を、オデットはよく知っていた。

残された義務に忠実であろうと決意を固めたオデットは、
まず薬を飲み、薄いスープの器をきれいに空にした。

数日だけでもゆっくり休めたのだから、それで十分だった。
どうせ避けられないことなら、堂々と受け入れるのが正しい。

ティラの結婚という問題を解決するためには、さらに冷静になる必要があった。

マルグレーテと、9月の風景

白い犬を抱えた若いメイドが入ってきた。

「メグ!」

ようやく緊張を解いたオデットは、
澄んだ朝の陽光のように明るい笑みを浮かべ、マルグレーテを受け止めた。

忙しなく尻尾を振り、顔を舐める騒々しい身振りが、
重苦しい静寂が漂っていた寝室の雰囲気を一変させた。

換気のために開けておいた窓の前まで近づいたオデットは、
腕に抱いたマルグレーテをなでながら、9月の風景を眺めた。

まだ夏の緑が残る森と、水の色が濃くなっていく海の間には、
銀色の砂が輝く海岸が斜線のように位置していた。

絶望に浸って過ごすには、あまりにも美しい季節だった。

—— 大丈夫。

自分に言い聞かせるようにつぶやくと、
オデットは顔を伏せてマルグレーテの鼻先にキスをした。

ティラを送り出したとしても、まだマルグレーテが残っていた。
オデットは一人ではなかった。

だから大丈夫だ。
大丈夫でなければならなかった。

順調な四日間

午後の最後の太陽が、空と海に沈んでいた。

海岸沿いの道路に入ったバスティアンは、アクセルを踏み込んでスピードを上げた。

すべてが順調だった。

帰国報告、参謀総長との面談、国防会議への出席、取締役会招集と事業所の視察まで。
次から次へと続いたこの四日間の日程は、結局その一言に尽きた。

残りの業務は、皇帝との取引と離婚くらいだ。
遅くとも来月中には皇帝に謁見するだろうから、それも順調に片付くだろう。

何が何でも刑務所に叩き込んでやろうとした憎悪は、もはや残っていなかった。
あの女の人生は、すでに奈落の底に落ちたも同然であり、
適当なところで妥協しても構わなかった。

邸宅の進入路へとハンドルを切ると、
曲がりくねった並木道を過ぎて、完成した邸宅が姿を現した。

——「アルデンヌの宝石」

父がこよなく愛したあの美しい領地を、そっくりそのまま移してきたような風景だった。
完璧に複製されたもう一つの宝石を眺めるバスティアンの眼差しには、
かすかな倦怠と自嘲がにじんでいた。

どうせ本当の目標は、この次にあるのだから。

序幕の終わり

迎えに出てきた使用人たちを通り過ぎたバスティアンの視線は、
その真ん中に立っているオデットの顔の上で止まった。

喪服を脱いだオデットは、深い緑色のベルベットのドレスを着ていた。
まだ礼法で定められた服喪期間が終わっていないことを考えると、
かなり異例な選択だった。

近くで見ると、オデットの顔色は病人のように青白かった。

「おかえりなさい」
「あなたが帰ってきて、本当に嬉しいわ」

音楽のように響く澄んだ声が、新鮮な夕方の風に乗って広がった。

口元を歪めて笑ったバスティアンは、そっと顔を傾けて目線を下げた。
あからさまな蔑みと嘲りがにじむ視線の前でも、オデットは動揺しなかった。

潤みを帯びた青緑色の瞳いっぱいにバスティアンを映したまま、
静かに見つめ続けた。

大股で近づいてきたバスティアンが、オデットの頬にキスをした。

「僕もまた、あなたのそばに戻れてとても嬉しい」

冷酷な表情とは裏腹に穏やかな声だった。

静かに息を整えたオデットは、さらに強固な微笑みで不安を隠した。

あえて許しを請おうとは思わなかった。
ただ、オデットは、この男の機嫌を損ねたくなかった。

ティラのためにも、そうしなければならなかった。

ティラだけは守りたかった。
それすら成し遂げられなければ、すべてが無駄になる。

罪を償った後の人生がどれほど惨めでも構わない。
この結婚に後悔だけは残したくなかった。

使用人たちとの短い会話を終えたバスティアンが振り向いた。
オデットは慌てて乱れた姿勢を正した。

冷たく固まった両手を握りしめ、肩をまっすぐに伸ばした。

バスティアンと目が合った頃には、
幸いにもきちんとした姿で微笑むことができていた。

じっとオデットを見つめていたバスティアンが、丁重にエスコートを求めた。

何の感情も宿っていない瞳は冷たかった。
まるで、青く冷たい水の底深く沈んでいくような気分だった。

オデットはそっとその手を取ることで、与えられた任務を受け入れた。

序幕は終わりを告げた。
今、次の章が始まる時だった。

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※本記事は作品内容の分析・評論を目的としたものであり、原作の翻訳全文を掲載するものではありません。