🌹 本記事は、『この結婚はどうせうまくいかない』原作第7巻・終章をもとに、高解像度あらすじ形式で構成しています。
会話部分や必要な箇所では、原作の表現を引用しています。
※ネタバレ注意:ここから先は、重大なネタバレを含みます。
終章|風はかつて吹いていた場所へと帰っていく 02
家族は彼女を「心を壊してしまった」と扱い、イネス自身もそれを否定しない。
世界中が死んだと信じている男の帰りを、たった一人だけ疑いもせず待ちながら——彼女はもう一度、砕かれた聖像が立ち上がる光景を思い描く。
そして一枚の便箋を引き寄せ、書き出した。
——『カッセル、私の命』
手紙は一日に一通ずつ
カッセル・エスカランテの救いようのない愛情と同じくらいには、イネスもまた、自分が十分に救いようのない人間になっていることを少しは自覚していた。
なぜなら今、自分は世界中が死んだと信じている男の帰りを、
一人だけ疑いもせず待ちながら、「遺品」と呼ばれる手紙を読み返して笑っているのだから。
家族たちは今や、イネスをこう扱っていた。
現実を受け入れられないあまり、心を壊してしまったに違いない。
けれど、そのことを本人へ指摘するのは、あまりにも酷だ——と。
イネスは、それに反論しようともしなかった。
誰も何も言っていないのに躍起になって否定すれば、かえって正気を疑われるだけだ。
だから彼女は、ただ自分のすべきことを続けた。
以前と同じようにカッセルを待ち、何事もないように彼の話をする。
周囲の目にどう映ろうと、もう気にしなかった。
「カッセルが戻ってくるまで退屈ですから、手紙は一日に一通ずつ開けることにしたの」
そう告げた時のことを思い出す。
真っ先にその言葉を聞いたフアンとイサベラからは、
言葉にならないような、痛々しいほどの心配を一身に浴びた。
ルシアーノはしばらく黙って妹の頭を撫で続け、
フアナは何も言わずに涙を流した。
その隣にいたラウルは、音も立てずにそっと部屋を抜け出し、レオネルへ状況を報告しに行った。
話を聞いたレオネルは、何度も舌を鳴らしたという。
——そう。
だから、彼らが自分を重症だと思っていることくらい、喜んで認めてもよかった。
イネスはもう、そんなことを気にしたくなかった。
今の彼女には、一日ごとに開き、何度も読み返す手紙がある。
そして、子どもが生まれる日も少しずつ近づいていた。
信じているからこそ、生きられる
——『君が僕に与えてくれた、すべての幸福があっても、それでもいつだって君に会いたい。
イネス。本当に。』
私もよ……。
返事なのか、ただの衝動なのかも分からない言葉が、口の中でかすかに揺れた。
この手紙を書いた男が、もうこの世界にいないなどとは、どうしても思えなかった。
そう思ってしまったら、生きていくことさえできなかった。
けれど——。
本当に、生きていると知っているのだ。
生きるために信じようとしているのではない。
信じているからこそ、生きられる。
立ち上がっていく聖像
イネスは、聖像の足の甲に刻まれていた文字を鮮明に思い浮かべた。
かつてカッセルが自らの手で聖像を砕いた、あの瞬間のように。
散らばった破片が再び宙へ舞い上がり、一つずつ元の位置へ戻っていく。
そして聖像が、本来の姿を取り戻しながら、もう一度立ち上がっていく。
その光景を、彼女ははっきりと思い描いた。
遥か高くそびえる使徒の顔。
ニバルドより少し年を重ねたような、どこまでも隙のない、完璧な顔。
やがて視線を落とし、今度は聖像を砕いたあとの彼の背中を思い浮かべる。

胸が締めつけられるほど痛ましい姿だった。
けれど、それはもう過ぎ去ったことだ。
イネスは静かに目を伏せ、
再びカッセルの手紙へ視線を戻した。
(どう見ても、使徒を相手に私の名前を耳にたこができるほど聞かせて、呆れられて追い返されそうな人だわ。)
そう思うと、思わず笑みがこぼれた。
けれど次の瞬間には、その紙を切なげに、愛おしそうに指先でそっと撫でた。
そして、一枚の便箋を引き寄せた。
Carcel, mi vida
Carcel, mi vida.
——カッセル、私の命
これを読んだら、また「嬉しくて死にそうだ」なんて大騒ぎするんでしょうけど。
『もう『死ぬ』なんて言葉には、本当にうんざりよ。
だから、私という命を得たあなたが嬉しくて死にそうになったとしても、せめて「このくらいなら生きるに値する」と思って、ちゃんと生きていてちょうだい。
何はともあれ、今日もいい朝よ、カッセル。
あなたにとっても、そんな朝でありますように。
今日もあなたが無事でありますように。
今日という新しい恵みが、あなたにもありますように。
神様があなたの目となり、腕となり、足となってくださいますように。
それから——
もうそろそろ起きる時間だから、一度くらい頬を叩いて起こしてくださいますように』
疲れて死に……いいえ
『私の予想とは違って、今の私は、あなたにそっくりな勤勉な子どもたちのおかげで、
夜明け前には目を覚まして一日を始めているわ。
本当にあなたのせいで、疲れて死に……
いいえ。
狂ってしまいそうよ。
あの子たち、本当によく食べて、よく眠るんだから……』
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この結婚はどうせうまくいかない 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
日本語版漫画
韓国語版(原作)
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