この結婚はどうせうまくいかない 原作7巻終章-03あらすじ|見えない誰かに、頬を叩かれたように【ネタバレ】

この結婚はどうせうまくいかない 原作7巻終章-03あらすじ|見えない誰かに、頬を叩かれたように この結婚はどうせうまくいかない

🌹 本記事は、『この結婚はどうせうまくいかない』原作第7巻・終章をもとに、高解像度あらすじ形式で構成しています。
会話部分や必要な箇所では、原作の表現を引用しています。
ネタバレ注意:ここから先は、重大なネタバレを含みます。
地名・人名について:本作には現時点で原作小説の公式日本語翻訳版がないため、地名・人名などの固有名詞は原文をもとに当サイトで日本語表記しています。今後、公式日本語版で異なる表記が採用される可能性があります。

終章|風はかつて吹いていた場所へと帰っていく 03

ラス・サンディアゴ諸島南部の島・ガンベラ。

海へ落ちてから、実に三十三日——カッセルが目を覚ます。

イネスが便箋に綴った、
「一度くらい頬を叩いて起こしてくださいますように」という祈り。

まるでその言葉に応えるように。

見えない誰かに、頬を叩かれたように

その頃——ラス・サンディアゴ諸島南部、ガンベラ。

まるで見えない誰かに頬を叩かれたように、カッセル・エスカランテはふいに目を覚ました。

海へ落ちてから、実に三十三日。
ラマンチャ海賊の残党たちは、太古の部族のように彼を取り囲み、その目覚めを静かに見守っていた。

夢だろうか。
いや、おそらく夢なのだろう。

そう思った直後、
自分には夢を見るだけの余力など残っていただろうか、と考え直す。

重い頭を無理やり働かせ、カッセルは最後の記憶をたどった。

黒く染まった青い海。
水面から差し込む、かすかな光。

その光をまとって魚の群れがきらめいたのは、ほんの一瞬だった。
次の瞬間には、傷口から流れ出た血が、煙のような赤い陽炎となって視界を埋め尽くした。

海の獣たちの鳴き声。
深みから押し寄せる波のうねり。
自分を呑み込んでいく水音。

——このまま奈落の底へ沈み、溺れて死ぬのだと思った。

そうだ。
あれで終わったはずだった。

オルランドの忌々しい死体が、自分の身体からゆっくり離れていき——

左肩が丸ごと引きちぎられたような激痛だけが、意識よりも鮮明に残っていた。

(……この痛みじゃ、どうやら生きているらしいな。)

何度か目を閉じ、また開く。
そのたびに、生きているという実感が少しずつ現実味を帯びていく。

カッセルは静かに感謝の祈りを捧げた。
そして真っ先に、イネスを思い浮かべる。

最後に見たのは、あの窓辺だった。
風に黒髪とゆったりしたリネンの袖をなびかせながら、
懸命に手を振っていた彼女の姿。

——子ども。
子どもたち。

君は、僕たちの子どもを授かったと言っていたね。

カッセルは小さく笑った。
自嘲ともつかない笑みだった。

子どもは二人いるというのに、自分の腕は一本になってしまったらしい。
さて、どうしたものか。

幸いなのか、不幸なのかは分からないが

カッセルは驚くほど淡々と、左腕が失われている場合を想像した。

海の中で肩から引きちぎられかけたままなのか。
あるいは海賊たちが想像より少しばかり慈悲深く、すでに駄目になった腕を切り落としてくれたのか。

いずれにせよ、二度と使えない状態になっていることだけは覚悟していた。

心の準備は、すぐに済んだ。

自分を穴が開くほど見つめる視線など少しも感じていないかのように、
彼は順番を待つような平然とした顔で、左腕へ目を向けた。

——幸いなのか、不幸なのかは分からないが……まだくっついているな。

その無関心な様子だけを見れば、「このまま肩から腐り落ちることになっても知ったことではない」と考えているようにさえ見えただろう。

「あ、あいつ、本当に生きて……」
「本当に目を覚ましました、バスケス様……」

ラマンチャの者たちの、呆気に取られた声が次々に上がる。

いつの間にか顔を覆っていた、むさ苦しい髭。
その隙間に固まりとなってこびりついた塩と砂。
そこで初めて、カッセルは長い時間が過ぎたことを実感した。

そして海賊たちの騒ぎの中、「三十日以上も寝たきりだった奴だぞ」という怒鳴り声が飛ぶ。

カッセルの眉が、ほんのわずかに動いた。

ある程度の日数が経っているとは思っていた。
だが、まさか丸三十日を超えていたとは。

海賊たちは、目を覚ましたカッセルを前にしても好き勝手に騒いでいた。

「領主どもはみんな死んだ。どこが敵陣だ。残っているのは、水を吸って使い物にならなくなった銃が数丁あるだけじゃないか」

バスケスは苛立たしげに吐き捨てた。

「……それより、さっさとあれを片づけろ。胸元でじゃらじゃら揺れているのを見るたび腹が立つ。いっそ、その“ぶら下がっているもの”ごと切り落として、海へ放り捨ててやりたい」

「直せますよ! 本島へ戻りさえすれば……!」

「それに、あいつは目を覚ましたんです。この上なく役に立つじゃありませんか。銃に弾を込めるふりさえしておけば、壊れているなんて、あのオルテガの男に分かるはずがないでしょう?」

自分の身に何が起きたのかも、次第に分かってきた。

カッセルがオルランドを刺し貫いた剣は、その勢いのまま、自分の身体まで貫いていた。
二人を串刺しにしたまま海へ落ち、激しい潮流に飲み込まれたのだ。

力なく漂うオルランドの巨体が水流に振り回されるたび、剣の刃はカッセルの肩甲骨のあたりを容赦なくえぐり続けた。

左腕は、かろうじて繋がっている。
それでも肩の内側は、ごっそり肉が失われていても不思議ではなかった。

そして、誰かが彼を生かそうとした痕跡も、はっきり残っていた。
いや、この海賊たちが、何らかの目的で応急処置を施したのだ。

裂いた布が包帯代わりに肩へ乱暴に巻かれ、傷口には何か薬でも塗られたのか、熱を持つどころかひんやりとしている。
軍服も左肩だけが切り裂かれ、反対側はそのまま残されていた。

すべて脱がせなかったのは——おそらく、自分の身分を示すためだろう。

腑抜けなのは、いったいどっちだ

「だから手足を縛っておけって言っただろ! モリナの船が来たら、そのまま荷物みたいに積み込めば済んだのに……!」
「もういい。肩があんな有様なんだ。一人で何ができるっていうんだ」

目を覚ましたカッセルを前に、海賊たちは勝手に騒ぎ続けていた。

“オルテガ語を話せる者は一人もいない”
“銃は水を吸って使い物にならない”
“仕えるべき領主たちは、すでに滅んでいる”

(……腑抜けなのは、いったいどっちだ。)

その状況には似つかわしくないほどの余裕を、彼は胸の内で静かに浮かべた。

その時だった。
湿った煙とともに肺へ入り込んでくる悪臭に気づき、カッセルはわずかに眉をひそめる。

得体の知れない薬草を燻したような臭い。

鎮痛剤か、それとも呪術師たちが霊と肉体を清めると言って焚く類のものか——そういえば、海賊の中にも負傷者がいた。

(……鎮痛と消毒、両方だな。)

結論はすぐに出た。

用途は理解できる。だが、ひどい臭いだった。

(薬まで、こんな代物を使っているのか。)

冷めた目でそう考えた瞬間、左肩を引き裂くような激痛さえ、まだましな部類だという結論に至った。指先をわずかに動かそうとしただけで、肩甲骨から腕先まで激痛が駆け抜ける。
骨ごと砕かれたような痛みに、指先は痺れて動かない。

——だが、動かない原因が痛みであるなら、絶対に動かせないわけではない。
ならば、今しかない。

「くそっ、あいつ……! オルテガの野郎が動こうとしてるぞ!」
「とにかく押さえろ! 押さえろ!」
「あいつは一人だぞ! 何をそんなに怖がってる!」

そう怒鳴った男が、真っ先に後ずさった。

ラ・マンチャ語も、すべて理解できていた

「あの若造が、たった一人で”不敗のオルランド”を討ち取ったんじゃないですか……」

怯えた声で弁解する部下たちを、バスケスと呼ばれた頭目が怒鳴りつける。

「どいつもこいつも、怯えた野良犬みたいにうろたえやがって。あのオルテガ野郎はラ・マンチャ語なんぞ分からんだろうが、お前たちがあの半死人を怖がってることくらい、一目で分かるぞ!」

——もっとも。
ラ・マンチャ語も、カッセルはすべて理解できていた。

カッセルはゆっくりと身を起こした。
空腹で腹が締めつけられるように痛んだが、それでも静かに顔を上げ、いつの間にか塔のように自分を取り囲んでいた海賊たちを、一人ずつ見渡した。

敵か。それとも命の恩人か。

いや——目的は一つしかない。

領主たちが滅びた今、帝国海軍司令官である自分を生かしておけば、命の保証と、それ以上の報酬を引き換えにできる。
だからこそ、瀕死で倒れていた自分に、腹いせの一太刀すら浴びせなかったのだ。

ブルゴスの残党がこの地まで流れ着き、偶然漂着した自分を拾い上げ、その命を繋ぎ止めながら一攫千金を夢見た——それだけなら、まだ理解はできた。

むしろ、その強運には金塊でも贈ってやりたいくらいだ。

だが、もし違うのなら。

帝国海軍の捜索がまだ及んでいないこの場所で、本当に偶然助けたのではなく——より高い報酬を得るため、あえて自分を捜索の目から隠し続けていたのだとしたら。

報酬も、その分差し引いてもらわねばならんな

「やっぱり、これはまずかったですよ……バスケス様。こんな野郎、そのまま死なせておけばよかったんです。せっかく生きてガンベラまで来たっていうのに」

(……ガンベラ)

その名を聞き、カッセルは海図の記憶をたどった。
ラス・サンディアゴ諸島の南端——。

「俺だって、ムリーリョの野郎がこんなに戻らないとは思わなかったんだ!」

「どうせモリナ、あの女とよろしくやってるんだろ」

「まさか、ムリーリョが俺たちの手柄を横取りしたんじゃ……」

海賊たちの口論は続いた。

ムリーリョに、オルテガ海軍と直接取引するほどの度胸があるはずがない。
だが——カッセルを見つけた当時、彼らが帝国海軍を避けていたことだけは事実だった。

「あの時は隠しておくしかなかった。もし湾を通ったオルテガ軍にこいつを見つけられ、そのままガンベラへ上陸でもされたら、金どころか命まで終わっていた」

「……今なら違うっていうのか?」

突然、流暢なラ・マンチャ語が響いた。

その場にいた海賊たちの顔が、一瞬で凍りつく。

(……やはり、後者だったか。)

カッセルは獰猛な笑みを浮かべながら、ゆっくりと身を起こした。

「おかげで無駄な時間を費やした。報酬も、その分差し引いてもらわねばならんな」

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📖 作品情報・配信プラットフォーム

この結婚はどうせうまくいかない 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다

原作CHACHA KIM 脚色CHOKAM 作画Cheong-gwa

日本語版漫画

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韓国語版(原作)

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