原作小説『この結婚はどうせうまくいかない』第2巻第⑧章⑤をネタバレ考察します。
本記事は、管理人ロゼの個人的な視点から描かれた考察です。
「高慢は破滅の先駆けであり、傲慢な心は転倒の先導である。」
司祭の声が大聖堂に響いた。
カッセルはその言葉を聞きながら、隣のイネスを見た。
あらすじ|2巻8章 人魚と兵士 ⑤
レデキヤ大聖堂でのミサ。
カッセルは隣に座るイネスから目を離せなかった。
ミサが終わるや否や、令嬢たちに取り囲まれた。
気づけばイネスはすでにその場にいなかった。
中でもスアレス中佐の娘は、
カルステラで数少ないカッセルを熱心に追いかけてきた令嬢の一人だった。
他の取り巻きたちが素直に引いていく中、一人だけ前に出た。
——そして、スアレスの娘がイネスの名を口にしたその後、
カッセルは、静かに、しかし明確に「私の妻の名を口にすることのないように」と言い渡した。
令嬢たちを抜け出し、今度はベルビク中尉の傍らで笑っているイネスを見つけた。
カッセルはベルビク中尉からイネスを引き離した。
そこへマリア・ノリエガが現れた。
……笑ってる?(引用:原作2巻)
カッセルがイネスの顔を窺った。
大聖堂で我慢する男
詩篇の言葉が大聖堂に響いた。
幸いなことよ。悪者のはかりごとに歩まず、罪人の道に立たず、あざける者の座に着かなかった、その人。まことに…… (-詩篇1:1-)(引用:原作2巻)
カッセルはその声を聞きながら、司祭を見て、またイネスを見た
説教が続いた。
カッセルは、自分もこの結婚の瀬戸際で転んだのは、
イネスを当然のように思っていたからだろうか、と考えた。
無理やり教訓を噛み締めようとした。
——しかし、目はまた彼女に向かった。
黒檀のような黒髪に白いミサ帽をかぶった姿。
ステンドグラスの光が降り注いでいた。
結婚ミサの日、長いベールをかぶった姿が、目に浮かんだ。
次から次へと下品にずれていく考えを、必死に振り払った。
ミサ帽をかぶったイネスを押し倒して、上に跨らせるとか——。
……狂ってる。
大聖堂の真ん中で奮い立ち、我慢している惨めさといったら、
言葉では言い表せない。
神聖な場で、彼はかろうじて自分を保っていた。
「妻の名前を口にするな」
ミサが終わった瞬間、令嬢たちが一斉に押し寄せた。
わずかな退路すら残さない、完璧な包囲だった。
カッセルは、令嬢たちに囲まれながらも、どこか少し余裕があった。
——せめてイネスも、この状況を少しくらい面白く思っているだろうか。
そんな期待が、どこかにあった。
しかし振り返った時、イネスはすでにその場にいなかった。
人だかりの向こうで、アセベド大尉夫婦や部下たちと共に、さっさと歩き去っていた。
「……何て素早いんだ」
カッセルは一瞬、取り残されたような顔をした。
スアレス中佐の娘が言った。
セニョーラ・エスカランテが信仰心に欠けるのではないか、大尉様こそ模範を示すべきだ、わたくしでしたら大尉様に合わせますのに——。
カッセルは最後まで話を聞いて、静かに、しかし明確に言った。
「私の妻の名前を二度と貴方が口にすることはないようにしていただきたい。」
(引用:原作2巻)
そして最後の一言だけ、優しい口調で尋ねた。
「この件について、必ず返答をいただきたい」と。
彼女に向ける目は、いつものような丁寧な目つきではなかった。
逃げろ
令嬢たちの包囲を抜け出した後、
イネスをベルビクから一刻も早く引き離したい気持ちを抑えて、
カッセルはラウルを先に探した。
バルカ侯爵夫人がラウルを数日借りたいと言ってきた。
帳簿の確認という名目だったが、夫が不在の時を狙った依頼だった。
カッセルは耳をこすった。
オルテガで「あまりにも汚らわしい言葉を聞いたので耳を洗う」という意味の仕草だ。
そしてラウルを見つけて言った。
逃げろ、と。
ラウルは「少しでもご夫妻のお役に立てますか」と問い返した。
役に立つなら行くという勢いだった。
カッセルは複雑な思いでラウルを見つめた。
イネスのためなら身も売るというのか——
そう思いながら、馬鹿げた競争心を振り払った。
ベルビクとイネス
令嬢たちを抜け出した瞬間、
カッセルは真っ先にイネスを探した。
そして見つけた。
——ベルビク中尉の隣で笑っている姿を。
ベルビクは士官学校時代からカッセルの二期上で、
カッセルが名前を出すことすら汚らわしいと思うほどの女たらしだった。
既婚女性、経験のない令嬢——カッセルが必ず断ってきたその二つこそが、
ベルビクの主戦場だった。
そしてイネスは今、カルステラで最も有名な既婚女性だった。
カッセルはイネスを引き離した。
耳が汚れると言いながら。
「まさか、どこか触られたりは……」
イネスの目が驚きで丸くなった。
カッセルは慌てて言い訳をした。
これは粘着質な嫉妬ではない、
それだけベルビクが性質(たち)の悪い男だというだけの話だ——。
しかし言葉が続かなかった。
ベルビクと自分は違うと言いかけて、言葉に詰まった。
同じ女たらしでも程度が違うと説明するのは、あまりにもみっともなかった。
しかも、よりによってそのタイミングで、マリア・ノリエガが現れた。
カッセルの師・ノリエガ大佐の孫娘。
他の令嬢とは違い、適当にあしらえない相手だった。
……笑ってる?
カッセルはずっと、イネスを目で追っていた。
少しくらいは困った顔をしているだろうか。
少しくらいは、自分を探してくれているだろうか。
——そんな期待を、自分が抱いていることにも気づかないまま。
しかし見つけたイネスは、ベルビクの隣で笑っていた。
そして、ノリエガ大佐の孫娘だ。
カッセルは困惑してイネスの顔を窺った。
特に気分を害している様子はない。
(……笑ってる?)
📚この記事を読んだ方へ
▶ 次の話(続き)
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📖 今回のエピソード対象範囲
| プラットフォーム | 対象話数 |
| ピッコマ・LINE漫画・COMICO | 第32〜33話相当(※漫画未配信部分を含む) |
| めちゃコミ | 第33〜34話相当(推定) |
📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
【日本語版漫画】
・ピッコマ(最新話先行配信)
・めちゃコミック
・LINEマンガ
・comico
📖 原作小説・漫画(韓国語版)について
管理人ロゼは、完結までの物語を見届けた後も、以下の公式配信サイトで大切に作品を追い続けています。
- 原作小説:韓国公式サイト(RIDI)にて配信中
- 原作漫画:kakaopage
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