この結婚はどうせうまくいかない 原作5巻13章⑪|馬車で——告白の後の二人【ネタバレ】

この結婚はどうせうまくいかない イネスとカッセル 馬車でミサへ向かう この結婚はどうせうまくいかない

原作小説『この結婚はどうせうまくいかない』第5巻第13章⑪をネタバレ考察します。
本記事は、管理人ロゼの個人的な視点から描かれた考察です。


彼らは多額の献金を捧げ、きわめて敬虔な足取りで礼拝堂を後にした。

馬車に乗り込むや否や、その敬虔さはすっかり消え去ってしまった。

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あらすじ|帰り道 ⑪

告白の後、二人は昼も夜も絶え間なく求め合った。

どこであれ、扉が閉まり二人きりになれば、待ちかねたように欲望が湧き上がった。
どれほど体を重ねても、渇きは癒えなかった。

聖カロロの受難のミサの日、
二人はカルステラで長年働いてきた彼らの老料理人・ヨランダの小さな礼拝堂へ向かった。

イネスがカルステラに滞在していることは依然として秘密だったため、
カルステラの大聖堂ではなく、人目を避けられるその礼拝堂を選んだ。

行きの馬車では互いに慎ましく振る舞ったが、帰り道は違った。

馬車に乗り込むや否や、敬虔さは消え去った。

考察01|告白の後に変わったもの

カッセルから理由もわからないような、
言葉を飲み込むためらいは消えた。

告白の前、カッセルは何度も目を逸らした。
イネスを正面から見られなかった。

体は反応しながら、触れることができなかった。
それが消えた。

イネスも以前にも増して彼を求めた。
どちらが先ということもなく、二人は同時に手を伸ばし合い、互いを引き寄せた。

告白によって何かが解決したわけではない。
まだ話せていないことは山ほどある。
それでも、二人の間にあった見えない距離が、あの夜から変わった。

この結婚はどうせうまくいかない イネス ミサベール姿 馬車シーン

考察02|「あなたのせいで、まるで奔放な田舎娘になった気分だわ」

白いドレスに白いミサベール。
カッセルは朝、着替えたイネスを見て、まるで再び生まれ変わって結婚式のミサに臨むかのようだと喜んだ。

二人の姿はメンドーサの大貴族ではなく、
どこか地方の裕福な平民の子息と令嬢のように見えた。

礼拝堂を出た後の馬車の中で、イネスは言った。

「あなたのせいで、
まるで奔放な田舎娘になった気分だわ。」

カッセルは笑いながら返した。
どう見ても君が僕を堕落させたようにしか思えない、と。

ほんの少し前まで聖書の上に置いていた手が——というカッセルの言葉に、
「通りすがりの犬だって笑うわよ」とイネスが返す。

この軽口の応酬が、
告白の後の二人の温度を示している。

いまだ重さを抱えたまま、それでも笑えるようになった。

原作ならではの熱量

この場面の原作描写は、
告白の後に二人の間で何が変わったかを、言葉ではなく行動で示しています。

場所を選ばず、順番もなく、どちらからともなく求め合う。
どれほど重ねても渇きが癒えないという描写は、
これまでカッセルが抱えていた「言葉を飲み込むためらい」が消えたことの証明でもあります。

告白は二人の間の壁を壊したのではなく、
互いが互いに向かうことを、ようやく許した——そのように読めます。

考察04|何物にも邪魔されないような

告白の夜から、何かが変わった。
カッセルのためらいが消えた。

イネスは、以前にも増して彼を求める。

ミサを終えて敬虔な足取りで礼拝堂を出た二人が、
馬車に乗り込んだ瞬間、笑い合った。

そして官邸に戻ったとき、満ち足りた思いが溢れていた。
何物にも邪魔されないような——その思いが続くはずだった。


次回⑫|しばしの平穏が訪れた二人に、突然の訃報が届きます。

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