🌹 本記事は、『この結婚はどうせうまくいかない』原作第7巻・第16-2章をもとに、高解像度あらすじ形式で構成しています。
会話部分や必要な箇所では、原作の表現を引用しています。
※ネタバレ注意:ここから先は、重大なネタバレを含みます。
カイエターナの追及に、アリシアは繰り返した。
自分は何もしていない。
オスカルも無実だ。
ヴァレスティナが——ヴァレスティナが間違いなく自ら傷をつけたのだ、と。
第16章「川はみな海に注ぐが、海は満ちることがない㉖
カイエターナには、忘れられない光景があった。
アリシアは自ら夫の寝室へ侍女を送り込み、一夜を共にさせていた。
そして「役目を終えた」と判断した途端、
その侍女を鞭で打ち据え、無惨な姿にしてから放り出していた。
夫を興奮させたであろう身体の部位。
どこかイネスに似た顔立ち。
黒い髪の女たち。
アリシアが報復するように傷つけたのは、決まってそうした者たちだった。
偽物を何度も壊し、使い物にならなくし、それでも満足できなくなった。
だから最後には、本物——イネスを地獄へ引きずり下ろそうとしたのだ。
「……何をおっしゃろうと、結局は私にすべての罪を着せるおつもりなのでしょう」
「自分の罪を認めることを、ずいぶん都合よく言い換えるものだな」
カイエターナは、幻滅しきった目でアリシアを見下ろした。
あの女は狂っている
「殿下を害そうとしたのは、あのヴァレスティナだけですわ! 事実を捏造するために自ら傷を負い、そのうえ殿下まで殺そうと企んだのです!」
「気でも狂ったのか、この女は! イネスが狂っていたとしても、そんな真似をするものか!」
ついに堪忍袋の緒が切れたカイエターナが手を振り上げると、
アリシアはその腰へ狂気を宿した目で縋りついた。
「ええ! 狂っていますわ! 狂っているのは、あの女なのです!」
「本来、オスカル様が望んでおられたことなのです。オスカル様のものを、元の持ち主のもとへ戻そうとしただけではありませんか。……私はただ、殿下を幸せにして差し上げたかっただけなのです。たとえ殿下が、ほかの女性を愛しておられたとしても……」
「私がオスカル様のためにできないことなど、一つもございません」
涙で濡れたその顔を見つめながら、カイエターナは一瞬、その存在そのものに恐怖を覚えた。
まるで怪物を前にしたかのようだった。
「オスカルは、そんなことは決してしなかっただろう。だが、お前があの愚かな口へ、加減も知らずに押し込んだものは何だった?」
その言葉に、アリシアの青い瞳が鋭く揺れた。
殺意にも似た非難を宿した視線がカイエターナを射抜く。
しかし次の瞬間には、アリシアは何事もなかったかのように穏やかな表情へ戻り、
静かに言った。
「どうか信じてくださいませ。私は、この手で殿下を害することなど決してできません」
「そうやって少しずつ正気を奪い、疑うことすら忘れた男の命まで奪おうとしたのだろう」
そして――
「イネス・エスカランテは、最初から妊娠などしておりませんわ! 子どもも産めない女が、妊娠だなんて!」
お前はどうして知っている
カイエターナはアリシアの頬を張り飛ばし、荒い息のまま呆然と問い返した。
「……何だと?」
「……私が知っております、カイエターナ様。イネス・エスカランテは決して子どもを授かることはできません」
「子宮が石のように固まってしまった女なのですから」
それなのに、半年前に妊娠したなどと——アリシアは歪んだ笑みを浮かべ、不気味に笑った。
その瞬間、石のように固まったのはカイエターナのほうだった。
カイエターナは静かに尋ねた。
「……イネスが子どもを産めない身体だと、お前はどうして知っている?」
告白
アリシアは微笑んだ。
「誓います。
この手で、あの女の子宮を壊しましたから」
「身の程を知らないあの口に入る食べ物すべてに、パノテを混ぜるようにして……」
「オスカルのもとへ、他の男の汚らわしい子を宿したまま来てはならないのですから」
カイエターナはしばらく言葉を失った。
そして次の瞬間——その表情が、獣のように歪んだ。
🌹 アリシアは、自らイネスの子宮を壊したと告白した。
この瞬間、彼女は嫉妬深い皇太子妃ではなく、自らの歪んだ愛を正義だと信じる「怪物」として、その本性を露わにした。
📖 オスカルとアリシアの狂気は、どこで生まれ、なぜここまで歪んでしまったのか。
二人の怪物性については、こちらの記事で詳しく考察しています。
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📖 原作6巻を振り返る
▶ 原作6巻総括|神は救わない。それでも人は救われていく
📖「6巻の読み方はこちら」
→6巻以降の読み方ガイド
※本記事の人名・地名は原作ベースの仮訳です。今後の公式翻訳により表記が変更される可能性があります。
📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
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※本記事は作品内容の分析・評論を目的としたものであり、原作の翻訳全文を掲載するものではありません。