第15章「人間と獣の時間」15章-⑧|あらすじ
出征を祝う宴の席。
カッセル・エスカランテは、大佐への特進を祝う皇太子・オスカルから杯を受け取る。
表向きは礼儀正しい従兄弟同士の会話だった。
だが、話題が家族や過去へと滑り込むにつれ、オスカルの言葉は少しずつ、その奥に潜むものを滲ませ始める。
その告白は、カッセルの幼少期にまで遡るものだった。
母・イサベラのために口をつぐみ、忘れようとしてきた記憶——それが今、この場で言葉にされていく。
オスカルはさらに、カッセル自身をイネスへの切り札として利用しようとする意図を露わにする。
それでもカッセルは、毅然とした態度を崩さない。
「柵の外で、人の関心を少しでも引こうとあがきながら尻尾を振る野良犬を、誰が狼だと思って震え上がるというのですか」(引用:原作6巻15章)
カッセルは手にしていた杯の中身を植木鉢へとぶちまけ、空のグラスを侍従に渡す。
端正な微笑を浮かべたまま、オスカルへと一歩踏み出した。
二人の間に流れる空気は、もはや従兄弟のそれではない。
この瞬間、二人の関係はもはや従兄弟ではなく、明確な敵対関係へと変わった。
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→6巻以降の読み方ガイド
※本記事の人名・地名は原作ベースの仮訳です。今後の公式翻訳により表記が変更される可能性があります。
📕 第15章まとめはこちら
→ 出征前夜までの全展開を整理(ネタバレ)