カッセル・エスカランテが戦地へと発った後、
首都メンドーサの街は「一枚の絵」に熱狂していた。
それは単なる別れの美談ではなく、
一人の男を「英雄」に、そして一人の女を「触れてはならない存在」に変える出来事だった。
開戦記念式典でのカッセルとイネスの美しくも切ない別れの光景は、
ゴシップ紙さえもが「高潔な愛」として報じる伝説のごとく、人々の心を強く捉えていた。
ネタバレ注意
ここから先は、重大なネタバレを含みます。
第15章「人間と獣の時間」15章-⑰|あらすじ
イネスが水面下で新聞社を掌握したことで、連日連勝を挙げるカッセルの武勲と、
自らの献身的な姿は、大衆の感情を揺さぶる物語として連日報じられた。
その影響力は凄まじく、彼女が開戦記念式典で身にまとっていたカルステラの野の花が、爆発的な需要で品薄状態になるほどであった。
オスカルは、自分に背を向ける彼女が、かつての人生で自分の傍らにいた時と同じように完璧に状況を掌握している様を目の当たりにする。
その手腕に一瞬だけ満足げな微笑を浮かべるが、それはすぐに激しい歪みへと変わった。
『イネスは、あの頃のままだった。彼の妻だった時のように……。』
一瞬だけ満足げに浮かんだ微笑が、鋭く歪んだ。(引用:原作6巻)
オスカルを縛る「死」の恐怖
オスカルは、嫉妬と、そして「カッセルを死なせれば、イネスまでをも永遠に失う」という強烈な恐怖に苛まれていた。
イネスがかつて告げた、カッセルのためなら喜んで死ぬという言葉。
それは、回帰を繰り返す彼にとっても、
彼女がこの世界から完全に消滅するという「真っ黒な恐怖」として反芻される。
夫を愛しているから……-(中略)-
死ねると言った。君が、死ぬと。私の目の前から、再び消え去ると。この世から……。
(引用:原作6巻)
もはや問題は「殺せるかどうか」ではなかった。
殺した瞬間、自分がすべてを失うと分かっていることだった。
この確信ゆえに、彼は暗殺計画を中止せざるを得ず、
自ら掘った泥沼の中で「カッセルを殺してはならない」と言い聞かせていた。
封じられた皇太子の手
アリシアは、今やメンドーサの聖域となったイネスに、
オスカルが手出しできない状況を冷酷に指摘する。
「あなたが彼女の指先一つにでも触れようものなら、世間は何と騒ぎ立てるでしょうね?」(引用:原作6巻)
カッセルが戦場から届ける「損失のない完全な勝利」は民衆の熱狂を呼び、
イネスにまつわる物語は、メンドーサの世論を急速に席巻していた。
英雄と、その帰還を待つ妻。
その構図はすでに、個人の関係を超えて「守られるべき物語」として完成していた。
歪んだ執着の行方
皇太子妃・アリシアは彼を慈しむように見守りながら、
精神に深刻な影響を与える薬物を与え続けていた。
しかしダンテは、それだけではない「何か」の存在を感じ取っていた。
もはや、愛ゆえに害は及ぼさないという前提は崩れ去っていた。
(そろそろ、この狂人たちの間から足を洗うべきだろうな)(引用:原作6巻)
ダンテは、狂気と毒に満ちた皇太子夫妻の姿を見て、
このおぞましい深淵から離脱する潮時を悟り始めていた。
英雄は戦場へ向かい、
支配者はその場に縛り付けられたまま動けない。
力関係は、すでに逆転していた。
📖「6巻の読み方はこちら」
→6巻以降の読み方ガイド
※本記事の人名・地名は原作ベースの仮訳です。今後の公式翻訳により表記が変更される可能性があります。
📕 第15章まとめはこちら
→ 出征前夜までの全展開を整理(ネタバレ)
📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
【日本語版漫画】
・ピッコマ(最新話先行配信)
・めちゃコミック
・LINEマンガ
・comico
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管理人ロゼは、完結までの物語を見届けた後も、以下の公式配信サイトで大切に作品を追い続けています。
- 原作小説:韓国公式サイト(RIDI)にて配信中
- 原作漫画:kakaopage
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