本記事は、管理人ロゼの個人的な視点から描かれた考察です。
本記事では、原作第1巻第2章における「エミリアーノとの出会い」と、その先に待つ破滅までを整理します。
回帰を「祝福」と信じたイネスは、世界が与えた機会を正しく使おうとした。
しかし彼女が見落としていたものがありました。
——愛だった。
愛は彼女を救うはずでした。
けれど、その愛は、彼女を二度目の死へと導く最大の誤算でもあったのです。
📖この記事の位置づけ
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あらすじ|原作1巻2章 イネス・ヴァレスティナの視点③
オスカルとの結婚まで残り4か月。
16歳のイネスは婚約破棄を試みるが、誰もその言葉を真剣に受け取らない。
公式な手段が封じられたイネスは、非公式な計画へと切り替えます。
26歳の記憶を持つイネスは、理性的にオスカルに再接近しないよう立ち回ります。
憎しみだけで動けば自分の首が飛ぶ。
それは二度目の無駄死にだ——と。
転機は突然訪れた。
皇室の使者とともに肖像画家が屋敷を訪れ、
その助手として現れたのが美しい青年エミリアーノでした。
16歳のイネスは、その青年に一目で心を奪われます。
時間がなかった。
焦る彼女は、その夜、計画を実行に移します。
体で誘惑するという、彼女なりの合理的な選択でした。
しかしエミリアーノは想定外の人物でした。
美しく、純粋で、その真っ直ぐな言葉が彼女を溺れさせる。
二人は20日後、ペレスからそっと姿を消しました。
4年間、放浪しながら幸福で貧しい暮らしを送りますが、カルステラ沿岸の港でヴァレスティナ公爵家の私兵に捕縛。
エミリアーノは一時逃亡するも、自ら戻り、ルシアーノの手によって処刑されます。
イネスの目の前で。
生まれたばかりの息子の前で。
その後、彼女は年老いたアルメナーラ伯爵との再婚を受け入れますが、父であるヴァレスティナ公爵が、我が子を「汚らわしい芽」として消すと告げる声を壁越しに聞いてしまいます。
イネスは、子供が見知らぬ場所で苦しんで死ぬことのないよう、
自らの手でわずか3か月の命を絞めました。
長い時間、我が子を見つめた後に、夜明け前、自らの喉を突く。
20歳だった。
——そして、イネスは再び目を開ける。
今度は、もっと古い記憶の中で。
考察01|計算された誘惑と、16歳の誤算
このパートで注目すべきは、イネスの中に「二つの自分」が同居しているという構造です。
26歳の記憶を持つイネスは冷静です。
オスカルへの憎しみを突きつければ塔に閉じ込められ、家門は没落する。
感情で動くことの代償を、彼女はすでに一度身をもって知っています。
だから計算した。
——その判断は、26年の記憶からくる冷徹な合理性そのものです。
しかし、エミリアーノを前にしたとき、16歳の心が動きます。
計画を立てたのは26歳の記憶でしたが、
「愛」という動機を最後に滑り込ませたのは16歳の感情でした。
頭では分かっている。
でも、心は16歳のまま揺れてしまう。
誘惑する側のはずが、
「エミリアーノ」という名前を教えられた瞬間に、逆転してしまいます。

「忘れないでください、お嬢様。……僕の名前はエミリアーノです。」(引用:原作1巻)
エミリアーノのこの言葉に、16歳の心は完全に応えてしまいます。
これは26歳の記憶では防げない類の感情でした。
——記憶が意志を押し、感情がそれを裏切る。
エミリアーノのこのセリフは物語全体を通して、低音として機能しています。
彼は、名前を「教えた」のではない。
「刻んだ」のです。
——忘れないでください。
全くそのとおりに、イネスは結果的に、死の瞬間まで、死を超えてもなお——
この名前を忘れることができませんでした。
🌹 時に、ある名前は世界を変えることがあります。
イネスにとって、エミリアーノという名がそうだった。
すべてが白黒だった世界で、唯一の色彩だった。
オスカルとの婚約に縛られた時間は、イネスにとって無色の時間でした。
エミリアーノという名は、その世界に初めて色を与えた。
だからこそ、彼が消えたとき、
イネスの世界から色だけが消えてしまった。
考察02|愛を知ったこと、それ自体が刑罰だった
イネスはエミリアーノを失ったあと、はじめて「愛」が何かを知ります。
「こんなものが愛なのだとしたら、彼女はオスカルをただの1秒も愛してなどいなかったのだ」(引用:原作1巻)
この一文は、とても残酷です。
エミリアーノへの気持ちを“愛”だと認めた瞬間、
それまでの人生がすべて否定されてしまうからです。
オスカルとの結婚生活も、耐えてきた10年も、
「愛ではなかった」と確定してしまう。
それは、自分がどれほど空虚な時間を生きてきたかを、はっきり突きつけられた瞬間でした。
この人生で、イネスはエミリアーノあまりにも愛しすぎていた。
“愛しすぎる”という状態は、幸せの最上級ではありません。
愛する相手がいなくなったとき、その大きすぎる感情は、行き場を失います。
息ができないほど苦しい。
大げさな表現ではなく、本当に世界が閉じてしまった感覚だったのでしょう。
「エミリアーノに似た子どもはあまりに小さくて、十分ではなかった」(引用:原作1巻)
子どもは、エミリアーノが確かに存在した証でした。
けれど、彼と共に見た世界の広さに比べれば、その存在はあまりに小さく感じてしまう。
……代わりにはならない。
誰かを本気で愛してしまったとき、その人の代わりなど存在しないのです。
そして彼女は、その子さえも自らの手で手放す。
子供を手にかけ、自ら命を絶つ場面。
ここには泣き叫ぶ描写も、激しい修辞もありません。
「何時間も死んだ子をぼんやりと見守った後、夜が明ける前に自らの喉を突いた」
(引用:原作1巻)
叫ばない悲しみは、より深く沈む。
結局、この回帰は祝福ではありませんでした。
愛を知らなければ、ここまで壊れなかったかもしれない。
でもイネスは知ってしまった。
そして、その愛は、彼女を生かすのではなく、
二度目の死へと追い込んでいったのです。
📖 今回のエピソード対象範囲
| プラットフォーム | 対象話数 |
| ピッコマ・LINE漫画 | 第9〜11話相当 |
| めちゃコミ | 第10〜12話相当(推定) |
📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
【日本語版漫画】
・ピッコマ(最新話先行配信)
・めちゃコミック
・LINEマンガ
・comico
📖 原作小説・漫画(韓国語版)について
管理人ロゼは、完結までの物語を見届けた後も、以下の公式配信サイトで大切に作品を追い続けています。
- 原作小説:韓国公式サイト(RIDI)にて配信中
- 原作漫画:kakaopage
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