この結婚はどうせうまくいかない 原作6巻第16章-⑦あらすじ|脱走しなければならない——イネスの手紙を読んだ夜【ネタバレ】

カッセルとイネス 脱走しなければならないイネスの手紙を読んだ夜 この結婚はどうせうまくいかない

戦場のカッセル・エスカランテは、今日も英雄だった。

造船所を焼き払い、海賊の未来ごと潰し、敵から見れば怪物的な男だった——

一方でまた、
イネスの手紙一通で、簡単に恋する男へと戻ってしまう男でもあった。


ネタバレ注意
ここから先は、重大なネタバレを含みます。

第16章「川はみな海に注ぐが、海は満ちることがない」⑦|あらすじ

ラス・サンディアゴ征伐の本格化

ラス・サンディアゴ諸島の冬は、オルテガよりずっと早く訪れた。

補給船から荷物が降ろされ、臨時基地の工事が続く埠頭を、カッセルは丘の上から眺めていた。
コートを肩に掛けただけの姿だった。
腕を怪我していたからだ。

五日前、諸島南西のスパニラガ島に隠れていたラマンチャ人の造船所、製材所、鋳造所をすべて焼き払った跡地の上に、今、基地が建てられつつある。

焼き払われた造船所

スパニラガ島は、百余年にわたり海賊行為の根源を提供してきた場所だった。

カッセルは建造中だった船を記録と武器だけ残してすべて焼き払い、
翌日残ったもう一隻も、自ら確認して降りるやいなや焼き払った。

エルバ少佐が「もったいない」と地団駄を踏むほど貴重な船だったが、
カッセルは冷淡に言い切った。

「あいつらの息の根を止めなきゃならない時に、今後の戦力に少しでも利するような真似をする必要があるのか?」
(引用:原作6巻)

船大工がいなければ、海賊は地に閉じ込められた獣に過ぎない。
本土にその技術の種を絶やせば、彼らが復活するまでに五十年はかかるだろう。

カッセルは、沈んだ船大工たちの魂を慰めるために従軍神父を送った。
不憫で可哀想だと思いながら——

一方で、そのような魂がもっと増えることを、凄惨なまでに願いながら。

神話化されるカッセル

スパニラガ島の補給廠が焼かれた瞬間から、ラス・サンディアゴの均衡は崩れ始めていた。
大領主オルランドは、もはや絶対の支配者ではいられない。

カッセルはシガーの煙を吐き出しながら、それを静かに眺めていた。
埠頭の木のアーチには言葉が刻まれていた。

——「風を蒔く者は嵐を刈り取る」

——「神と風は我らの味方」

水兵たちが波道のように退いて敬礼を送る中を、カッセルは歩いた。

補給船到着・ホセへの山積みの手紙

補給船から上陸してきたアセベド大尉が、文字通り山のような手紙を差し出した。
すべてホセ・アルメナーラの妻・レアが送った手紙だった。

「セニョーラ・エスカランテからのお手紙を待たれていたのではありませんか」

「私のイネスは、こうした些細なことに執着するような女ではないので」

本当に、少しの失望感も見せずに答えた。
そして付け加えた。

「イネスに送る手紙が、これの四倍ほどはあるので」

……ということは、自分自身は「些細」なことにひどく執着しているという意味か。

⑤ 「愛するホセへ」——嫉妬

傷ついたホセに手紙の束を届けようとした時、一通だけ筆跡が違う封筒があった。

間違いなく、イネスの筆跡だった。

カッセルは「足を怪我した可哀想な奴に、せめて慰めでもあればいい」と思って手紙の束ごと渡したはずだった。

しかし正直に言えば、自分はとうにあの哀れな若造を妬み、嫉妬していたのかもしれない。

「愛するカッセルへ」とは、一度も書いたことがないくせに、
突然「愛するホセへ」とはどういうことだ——。

彼は負傷した部下の手から手紙を奪い取った。

自分で渡してやったくせに、
まるで最初から強奪されていた物を取り戻すかのように。

手紙を修正する

自分の幕舎に戻ったカッセルは、封筒をまっすぐに置き、
インクに浸したペンで「ホセ」の上に線を引いた。
「レア」の上にも同様に。

——「愛するカッセルへ、イネスより」

受取人と差出人を修正して、ようやく完璧になった。

封筒の中から丁寧に紙を取り出してすぐに、カッセルは毒づいた。

「くそっ、三枚もある……」

たった一行のメモですら額装して執務室の壁に掛けておきたいほど狂った男にとって、
三枚もの手紙は「死ね」と言われているのも同然だった。

雅歌を書き写すイネス

一枚目を広げると、
一行目からルシアーノの検閲によって恋文が欠落したという報せだった。

「兄なら兄らしくしていればいいものを……」

『あなたが無事に帰ってこないなら、私もラス・サンティアゴに行ってすべて焼き払ってやるというのが、そんなに大ごとなのかしらと思うけれど』 (引用:原作6巻)

脅迫状と言われた恋文の内容がこれだった。
カッセルは義兄への非難を即座に撤回した。

——可愛い……
脅迫状だって受け取りたかった。
どれほど愛らしかったことか。

さらに読み進めると、侍女・フアナの助言で聖書の雅歌を書き写した部分が現れた。

『わが愛する者はわたしのもの、わたしは彼のもの』
いばらの中にゆりの花があるように、わたしの愛する者は娘たちの中にあります。林の木の中にりんごの木があるように、わたしの愛する方は息子たちの中にあります
(引用:原作6巻・雅歌2章)

カッセルは思わず吹き出した。

自分を「ゆり」と書きながら、
あらゆる刑罰に遭っているような顔をしていたであろう、イネスが目に浮かんだ。

夫を「りんごの木」と書きながら、どれほど憂鬱そうだったろうか。

もちろん、彼の気分は最高だった。
彼女はいつだってりんごが好きだったから。

⑧ カッセル完全崩壊・妊娠発覚

手紙の最後のページへ目を走らせた時、
ある箇所で視線が止まった。

『嬉しい知らせといえば、カッセル、私たちに子供ができたわ』 (引用:原作6巻)

「……何、だと……」

さらに次の行を読んだ瞬間、
カッセルの思考が止まった。

——子供たち。

複数形だった。

カッセルは石のように固まった。

次の瞬間、幕舎を飛び出した。

一生大切に扱うべき手紙を、
その強い力で握りしめぐちゃぐちゃにしていることにも気づかずに。

脱走宣言

副官が耳を疑った。

「マウリシオ、脱走だ。……俺は今すぐ、至急脱走しなければならなくなった」
(引用:原作6巻)

口にした単語は重犯罪だが、まるで「ちょっと公務を急ぎで処理してくる」
とでも言うような口調だったからだ

カッセルは自分の手で台無しにしてしまった手紙を副官に突きつけ、
該当箇所を指差した。

マウリシオは、力がふっと抜けた。

カッセルは顔を覆った。
そしてそのまま、その場にしゃがみ込んだ。

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6巻以降の読み方ガイド

※本記事の人名・地名は原作ベースの仮訳です。今後の公式翻訳により表記が変更される可能性があります。

📖 作品情報・配信プラットフォーム

  • 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
  • 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
  • 原作: CHACHA KIM
  • 脚色: CHOKAM
  • 作画: Cheong-gwa

【日本語版漫画】
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