この結婚はどうせうまくいかない 原作6巻第16章-⑧あらすじ|恋愛狂人と戦争英雄が、同じ夜に同居した【ネタバレ】

カッセルとマウリシオ 恋愛狂人と戦争英雄が同じ夜に同居した この結婚はどうせうまくいかない

戦略会議が終わり、参謀たちが去った夜。
カッセルは一人で手紙を読み返していた。

マウリシオは海図を整理しながら、
切なく戯れ合う男女の間に挟まれた不純物になったような気分で、
ひたすら首を縦に振り続けていた。


ネタバレ注意
ここから先は、重大なネタバレを含みます。

第16章「川はみな海に注ぐが、海は満ちることがない」⑧|あらすじ

オルテガ海軍の標語をこれに変えても不足はない

手紙の書き出し

——「空は澄み、波は穏やかに、風は恵みをもたらさんことを祈って」

カッセルはそれを、一文字たりとも無駄のない完璧な名文だと絶賛し、
オルテガ海軍の標語をこれに変えても微塵も不足はないと言い切った。

マウリシオは滑らかに同意した。

「セニョーラ・エスカランテの敬虔なお人柄ゆえかと……」

——「話が長い。ただ傲慢だと言え」

「はっ、その通りでございます。私たちは非常に傲慢でございました」
(引用:原作6巻)

ちなみに、今の標語、「傲慢」と評した「神と風は我らの味方」は、
カルデロン・エスカランテ提督のものだった。

マウリシオがそれを知ったのは、この会話の後だった。

幕舎の中の独り言

会議の間は無心に指揮棒で海図を叩いていた男が、
今や「そうだろ、マウリシオ?」と暇さえあれば共感を求めてくる。

三枚の手紙を交互に読み返しては笑い、くしゃくしゃになったと毒づき、
そこに顔を埋め——

「君が可愛すぎて死にそうだ」
「イネスと俺の子供が、この世界に二人も存在することになるなんて……」
(引用:原作6巻)

そうかと思えば、無体に妊娠させた自分を「クソ野郎だ」と猛非難してみたり……。

遠いメンドーサから届いた三枚の手紙だけで、
カッセルの内側は、どうしようもなく燃え広がっていた。

エルバ少佐の乱入

——「ロゴルーニョの丘の上で最高の海の眺望を誇る官邸のおかげを被ったことを、帰還されてからもお忘れなきよう願いたい」

エルバ少佐がニヤニヤと笑いながら言い捨て、
悠々と幕舎を抜け出そうとした——その瞬間だった。

見張り台から奇襲を知らせるラッパの音が響き渡った。

一瞬で戦闘モードへ

カッセルは素早く立ち上がり、机の下に落ちていた指揮棒を一発で見つけて拾い上げた。

負傷した腕を固定していた紐を断ち切り、
自由になった左手で銃二丁をホルスターに差し込んだ。

その一連の動作に、何秒かかっただろうか。

しかしそんな最中にも——
イネスの手紙の上にペーパーウェイトを置いて固定していく姿を、
マウリシオは呆然と見返した。

「そうだな。セニョーラの手紙が飛んでいっては一大事だ……」(引用:原作6巻)

水平線の灯火

いつの間にかカッセルは遠ざかり、
瞬く間に見張り台へと駆け上がった。

黒い水平線の上に灯火が揺らめき、やがて巨大な船列が姿を現した。

カッセルが不敵に笑い、空に向けて銃を放った。

銃声を合図に砲列が準備された。
彼は見張り台から飛び降り、埠頭へと走り始めた。

つい先ほどまで、
恋文に顔を埋めていた男とは思えない速度だった。

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📖「6巻の読み方はこちら」
→6巻以降の読み方ガイド

※本記事の人名・地名は原作ベースの仮訳です。今後の公式翻訳により表記が変更される可能性があります。

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