原作小説『この結婚はどうせうまくいかない』第2巻第8章⑬⑭をネタバレ考察します。
本記事は、管理人ロゼの個人的な視点から描かれた考察です。
夜明け方、眠りから覚めた彼女が、夢のように再び彼の名前を呼んだ。
「……カッセル?」
彼は、愛していると言ってしまわないために泣いた。
📖この記事の位置づけ
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第8章⑬⑭|君が目を開けて、俺の名前を(この記事) -原作第2巻完-
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(※原作では「第8-2章」に該当。
本サイトでは連載の流れを優先し、第8章⑮として掲載していきます。)
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あらすじ|人魚と兵士 ⑬⑭
軍医マーソ大尉は「原因不明」と答えた。
カッセルは「まともな医者を呼ぶ」と言い放ち、追い払った。
しかしラウルは、たとえどんな医者が来ても、
イネス様を正確に診断することはできない、と言った。
「十六になられた年……その年からだったと記憶しております。」(引用:原作2巻)
カッセルは記憶を辿った。
その年、すべてが突然変わった。
イネスが彼の前から消えた年だった。
ラウルは続けた。
毎日のように息ができなくなった。
眠ることも、食べることもできなかった。
4年間、ただの一日もベッドから離れられなかった、と。
夜が明ける頃、イネスが目を覚ました。
「……カッセル?」
考察01|俺だけが君を好きなんじゃないか
カッセルは、その年を覚えていた。
恋文も贈り物もすべて途絶えた年。
イネスが彼を避けるようになり、すべてが突然変わったのだ。
行事でも顔を見せなくなり、
会話をしても、どこか壁を隔てているようだった。
だが本当に痛かったのは、
拒絶されたことだけではない。
その頃のカッセルは、すでに少しずつ未来を考え始めていた。
——もしかすると。
世間が言うほど悪い結婚にはならないのかもしれない。
——もしかすると、
たまには俺が君を笑わせることができるかもしれない。
強情で、不親切で、扱いづらい女だけれど。
それでも俺の前では少しだけ気を抜くから。
だから案外、悪くない人生になるのかもしれないと。
十代の少年らしい、根拠のない楽観だった。

だが、その小さな期待が芽生え始めた頃に、
イネスは突然、彼から遠ざかっていった。
十五歳か十六歳の彼は、そんなイネスの気を引こうと必死だった。
顔だけでも見ようとペレスの周りをうろついていた日。
会うことを断られた数多くの日々。
そして何よりも、十代の少年のちっぽけな自尊心に、
男としてではなくただの煩わしい子供を見るかのようなあの表情が突き刺さった。
怒りでもいい。嫌われてもいい。
ただ視線一つだけでも独占したかった。
だから興味もない娘と戯れた。
子供じみた意地だった。
そして、その意地のまま初めて女と寝た日。
——人生がひっくり返るほど後悔した。
翌朝目を覚ました瞬間、
取り返しのつかない間違いを犯したと思った。
イネスが知ったらどうするだろう。
怒るだろうか。
頬を叩くだろうか。
いや、それならまだいい。
もし何もしてこなかったら。
怒りもしない。嫉妬もしない。
相変わらず俺を視界に入れもしないとしたら。
その想像の方が恐ろしかった。
――俺だけが君を好きなんじゃないか。
その考えが浮かぶたび、鳥肌が立った。
そんなはずはない。
そうやって何度も記憶を書き換えた。
そして士官学校へ行き、戦場へ行き、
自分は元々こんな男なのだと思い込んだ。
そう思い込んでしまえば、少しだけ楽だったからだ。
考察02|君は病んでいたというのか
ラウルが言った言葉が、胸の底まで落ちていった。
「……(ー中略ー) イネス様は、どうしても方法が分からないとおっしゃるのです。
頭でいくら考えてみても、本当に思い出せないのだ、と。」(引用:原作2巻)
息をする方法が分からない。
頭でいくら考えても思い出せない——。
4年間、ただの一日もベッドから離れられなかった、だと?
カッセルこそ、今どうやって息を吸えばいいか分からない人間になってしまった。
指先からすべての力が抜けていった。
士官学校から時折メンドーサへ戻ると、イネスはいつも平然としていた。
少し痩せて、少し神経質そうで、
そして何より、何も感じていないように見えた。
だが記憶をたぐり寄せれば、気づけたはずのものもあった。
白くなるほど強く彼の腕を掴んでいた指先。
何かに怯えるように揺れていた青ざめた瞳。
あれは本当に、何も感じていない人間の顔だったのだろうか。
残酷な女だ、とカッセルは思った。
そんなもの、あれほど巧みに隠されてしまえば分かるはずがない。
恨みは、火に焼かれた灰のように崩れていった。
本当は——
最初から一つも恨んでなどいなかった。
考察03|私はすでに彼女を愛していた
——もし知っていたなら。
君が何に苦しんでいたのか。
なぜ俺を拒み続けたのか。
あの日、逃げ出さなかったなら。
あんな間違いを犯さなかったなら。
そうしたら、もっと違う形で君を愛せたのだろうか。
そんな考えが浮かんだ瞬間、カッセルは自分自身を嘲笑った。
——何を今さら。
まるで今まで愛していなかったみたいじゃないか。
彼はもう、とっくに彼女を愛していた。
ただもう、否定できなくなっただけだった。
彼女の呼吸が止まったように見えたあの瞬間。
世界がほんの一瞬だけ止まったあの瞬間。
二度と目を開けないかもしれないと、そう思ったあの瞬間に。
愛だと認めることへの嫌悪が押し寄せた。
おこがましい、と思った。
だが、そんなことはもうどうでもよかった。
君が目を開けて、俺の名前を呼んでくれるのなら
明け方、イネスが目を覚ました。
「……カッセル?」
神に感謝したくなるような声だった。
彼女が二度と目を開けないと思った瞬間。
彼女の呼吸が聞こえなくなり、
世界がほんの一瞬止まったあの瞬間。
彼はすでに答えを知っていた。

彼は彼女に、
愛していると言ってしまわないために、
おこがましくも
感極まったキスをしてしまわないために、
——泣いた。
本当に、愛なんてどうでもよかった。
君が目を開けて俺を見つめ、
俺の名前を呼んでくれるのなら。
—原作第2巻 了—
📚この記事を読んだ方へ
8章「人魚と兵士」は、カンラン石のメダルによって封じられていた記憶が動き出し、
イネスとカッセルの過去が少しずつ姿を現し始める章でした。
2巻全体を通して見ると、ここで描かれていたのは恋愛の進展ではなく、
「白黒だった人生に色が戻り始めること」だったのかもしれません。
▶ 次の話(続き)
→3巻第8章 人魚と兵士 ⑮(※更新予定)
(※原作では「第8-2章」に該当。
本サイトでは連載の流れを優先し、第8章⑮として掲載していきます。)
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📖 今回のエピソード対象範囲
| プラットフォーム | 対象話数 |
| ピッコマ・LINE漫画・COMICO | 第36話相当 |
| めちゃコミ | 第37話相当(推定) |
📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
【日本語版漫画】
・ピッコマ(最新話先行配信)
・めちゃコミック
・LINEマンガ
・comico
📖 原作小説・漫画(韓国語版)について
管理人ロゼは、完結までの物語を見届けた後も、以下の公式配信サイトで大切に作品を追い続けています。
- 原作小説:韓国公式サイト(RIDI)にて配信中
- 原作漫画:kakaopage
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