🌹 本記事は、『この結婚はどうせうまくいかない』原作第7巻・第16-2章をもとに、高解像度あらすじ形式で構成しています。
会話部分や必要な箇所では、原作の表現を引用しています。
※ネタバレ注意:ここから先は、重大なネタバレを含みます。
第16章「川はみな海に注ぐが、海は満ちることがない㉚
ミゲルがイサベラを連れて部屋を出たあとも、フアンが何かをホセへ問いかけ続けていた。
誰かが答え、誰かが動いている。
けれど、その声はもう、イネスには届かなかった。
何も……
何一つ。
まるで、自分だけが世界から切り離されてしまったようだった。
手紙の束
「……セニョーラ・エスカランテ」
自分の前へ近づいてきたホセの痩せた膝が目に入り、
ようやくイネスは顔を上げた。
ホセは包みを静かに差し出した。
「すべて、大佐殿がカルステラを発たれてから、セニョーラへ宛てて書かれた手紙でございます」
幾重にも重ねられた手紙の束を、イネスはただ見つめた。
まるで、それがカッセルの亡骸であるかのように。
冷たくなった彼が、自分の膝へ静かに頭を預けているかのように。
ホセはそのまま彼女の前を通り過ぎ、フアンに見覚えのある葉巻箱を手渡した。
フアンはホセから受け取った葉巻の箱を握り締めた。
これまで気丈に振る舞っていた父は、
その箱を抱えたまま、ついに涙をこぼした。
我が生命の太陽、イネスへ
——それなのに、私は、不思議なくらい涙が出ないのよ、カッセル。
『Sol de mi vida, Ines.』——我が生命の太陽、イネスへ。
そうして、手紙を束ねる紐の下に隠れた自分の名前を、指先でそっとなぞった。
その一文を見た瞬間、
世界が、逆さまに崩れ落ちる。
たった数文字の呼びかけが、イネスの心を焼き尽くしていく。
空にあった太陽が突然頭上へ落ちてくるようだった。
自分もまた、そのまま焼け死んでしまいそうだった。
あなたが本当に死んだのなら、
私も、一緒に死んでしまってよかった。
——それでも。
まだ見つかっていない
「つまり、カッセルの遺体は、まだ見つかっていないということですね、ホセ?」
ホセは慎重に頷いた。
それだけで、イネスには十分だった。
——その瞬間。
イネスは素早く立ち上がり、部屋を飛び出した。
「イネス様! そのように走られては……!」
「ホセへの礼儀として、今まで耐えていただけよ。ラウル、ミセレへ行きましょう」
「え……?」
「馬車を!」
イネスは何も説明しなかった。
階段を駆け下りるその背を、
土気色になったラウルが慌てて後を追いかけた。
←第16章-㉙|死体というものが意味を持たない海(前の記事へ)
→第16章-㉛|彼の啓示が、すなわち彼女の啓示(次の記事へ)
📖 原作6巻を振り返る
▶ 原作6巻総括|神は救わない。それでも人は救われていく
📖「6巻の読み方はこちら」
→6巻以降の読み方ガイド
※本記事の人名・地名は原作ベースの仮訳です。今後の公式翻訳により表記が変更される可能性があります。
📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
【日本語版漫画】
・ピッコマ(最新話先行配信)
・めちゃコミック
・LINEマンガ
・comico
📖 原作小説・漫画(韓国語版)について
管理人ロゼは、完結までの物語を見届けた後も、以下の公式配信サイトで大切に作品を追い続けています。
- 原作小説:韓国公式サイト(RIDI)にて配信中
- 原作漫画:kakaopage
※海外サービスのため、日本からの利用条件は事前確認をおすすめします。
【免責事項】
※翻訳方針については当サイトの「翻訳・引用ポリシー」をご確認ください。
※本記事は作品のテーマを考察するものであり実在の行為を推奨・肯定する意図はありません。
※作品の引用・翻訳は著作権法の範囲内で行い、引用元を明記しています。
※本記事は作品内容の分析・評論を目的としたものであり、原作の翻訳全文を掲載するものではありません。