この結婚はどうせうまくいかない 原作3巻9章⑤|大きな事故ではない【ネタバレ】

この結婚はどうせうまくいかない 原作3巻9章⑤|大きな事故ではない この結婚はどうせうまくいかない

🌹 原作小説『この結婚はどうせうまくいかない』第3巻9章を高解像度あらすじ形式で構成しています。
本記事は、管理人ロゼの個人的な視点による考察を含みます。
本文中の会話・台詞は、原作の表現を適宜引用しています。

事故は事故だけれど

大きな事故ではない。

イネスはまず、そう結論を出すことにした。

📖この記事の読み方
本記事は、原作小説を高解像度あらすじ形式でまとめたネタバレ記事です。必要に応じて管理人ロゼの考察を交えています。

・作品全体を整理したい方はこちら
▶ 完全ガイド
▶ 人物相関図まとめ

あらすじ|火種はどこにでもある⑤

カッセルの目に「恋」を見つけてしまったイネスは、それを一時的な気分だと結論づけようとする。

男たちは気分に流される。
子供ができれば裏切る。

カッセルには裏切るのに都合の良い全てが揃っている——理屈を積み上げるほど、なぜか少しだけ苦かった。

それでもイネスは、自分の結論は間違っていないと言い聞かせた。


折しもメンドーサから二人の幼い頃の肖像画が届き、アロンドラは大騒ぎ。
その傍らで、アルフォンソと奇妙に目が合うことが増えていた。


男たちは気分に流される

男たちは、これが愛だと思えば、次はあれが本当の愛だと思う。
それも違うと思えば、今度は最後こそ本物だったと言う。
振り返れば最初が本物だったと泣き出す。

——そんな愚かな繰り返しを、イネスは嫌というほど知っていた。

「……どうして私を好きになったんだろう?」

人として好意を持たれているのは前から分かっていた。

カッセル・エスカランテは優れている分、
他人には甘い人間なのだ。

けれど、そんな『風』には——

全く納得できないこともなかった。

自分で見ても、なかなか綺麗で魅力的なのは事実なのだから。

どうせ一時的な気分だろうけれど、そんな有害な気分は短ければ短いほどいい。

どうせ子供ができたら終わりよ

恋に落ちて肝も胆も捧げてしまいそうな男たちが、
妻が妊娠した時にすることを、イネスは知っていた。

彼女が知る男の中で、妊娠した妻を裏切らなかったのはエミリアーノだけだった。

そのエミリアーノについてさえ、
最も深く恋に落ちていた瞬間に「あの人は金がないから、まさか私を裏切ることはないだろう」という冷酷な判断を下したことがある。

エミリアーノは一つのことしか知らなかった。
愛であれ、絵であれ。

しかしこんな男は、いつも例外だった。

その点、カッセル・エスカランテはどうか。

完璧な顔、完璧な体、生まれながらの権力、莫大な富。

わざわざ努力しなくても、裏切るのに都合の良い全てが揃っていた。
彼女に甘い分だけ、いつかまた甘くしたい女に出会うだろう。

そう考えると、かなりスッキリするはずだった。

ほんの少しだけすっきりして、少しだけ苦かった。

——おそらく不確実性のせいでしょう。きっと。

肖像画が届いた

これは全部、あの男の目のせいだった。

メンドーサから、カッセルの幼い頃の肖像画が届いていた。
ソファの上で無邪気にも憎らしく笑っている。

イネスのメンドーサの寝室に、いつも飾られていたものだ。

その隣には、イネスの幼い頃の肖像画。

険しい目つきで絵の外を睨んでいる。
こちらは反対に、カッセルの寝室にずっと飾られていたものだった。

——婚約して以来ずっと。

やはり、似合わない一組だった。

可愛い!本当に二人とも!

「イネス様、廊下より階段の方がぴったりですよ!」

アロンドラが浮かれて戻ってきた。

「可愛い!本当に二人とも、どうしてこんなに可愛いのでしょう!」
「ぎゅっと噛み砕いてしまいたいくらいですわ!」

「……カッセル・エスカランテなら可愛かったわ……」

「イネス様の方がもっと可愛らしいですよ」

「あれが?」

ツンとしているのではない。毒気に満ちているのだ。
一日中何の役にも立たない肖像画のために座らされて、腹を立てて待っていた顔だった。

アロンドラは隣にいる現在のイネスには目もくれず、
絵の中のすました少女に話しかけるのに夢中だった。

「お腹がすいていたのでしょうか……。
一体どうなさったのでしょうね、うちのセニョリータは?」

「カッセルの肖像画だけ飾って。こっちは……」

「とんでもないことですわ。ご夫婦は一対でなくては」

十数年前のイネスが客を追い払っているのに、現実のイネスがにこにこ笑って何になる——そう思ったけれど、アロンドラが自分を愛らしく思うのを邪魔したくはなかった。

結局、勝手にして、という気持ちで放っておいた。

アルフォンソの視線

「そうでしょ!アルフォンソ?」

テラスから出てきたアルフォンソが、はっと立ち止まった。

「あ……?ええ……そうですね」

作り笑いのようなぎこちない表情が、一瞬イネスの視界に入った。

最近、アルフォンソと奇妙に目が合うことが多かった。
まさしく、奇妙なほどに。

もしかして、ラウルとの話を聞いたのだろうか。
けれど「あの話」を聞いたのなら、あんな風に自分の主人を欺く女を見つめることはできないはずだ。

以前は必要なだけの丁寧な関心を示すだけだったのに、最近の彼は、疑わしいほど時々、彼女をそっと見ていた。

もしかしたら、別の理由かしら。

ラウルに注意を促さなければ——そう考えている間に、上級使用人たちの会話は「階段ならイネス様が右側へ?」という平和な方向へ流れていった。


痩せた女が好きじゃないだけかも

イネスは応接間の鏡を見た。

以前より健康に見える自分。
少しふっくらと肉のついた頬。

ゆっくりと目を細めた。

「……もしかしたらカッセル・エスカランテは、ただ痩せた女が好きじゃないだけなのかも」

男は気分に流される。
子供ができれば終わる。
そして、彼には裏切る条件が全部揃っていた。

だから、大きな事故ではない。

🌹 更新情報は @koyakoya0515 でもお知らせしています

▶ 次の話(続き)【第9章|火種はどこにでもある】
→第9章⑥|ひどく間違った飼いならされ方

📖 今回のエピソード対象範囲

プラットフォーム対象話数
ピッコマ・LINE漫画・COMICO第43話相当
めちゃコミ第44話相当(推定)

この作品が好きな方におすすめ

K-NOVEL FAN BOOKSHELF この結婚はどうせうまくいかない 本棚ページを見る
PR
ピエール・エルメ・パリ