本記事は、管理人ロゼの個人的な視点から描いた考察です。
本記事では、原作第5巻におけるカッセルの聖像破壊と神への凄まじい問いかけを整理します。
記憶という刑罰の構造を知ったとき、カッセルは、初めて知りました。
ーーイネスが罰を受けていたということを。
その重みに耐えきれず、彼は祭壇に頭を打ちつける。
しかし、それでも終わりませんでした。
神に赦しを乞わない。
神に挑んでいるのでもない。
ただ、罰を取りに行ったのです。
聖像を打ち砕くことで。
あらすじ|小説第5巻12.2|エミリアーノ編-②「聖像破壊」
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オスカルの忌まわしい言葉の数々に耐えきれず、カッセルは廊下を駆け抜け、礼拝堂へと向かう。エミリアーノが後を追うが、カッセルの方が早かった。
彼が手にしたのは、祭壇に置かれた守護の聖具。
そして向かった先は、修復中の礼拝堂を守る巨大な使徒「アナスタシオ」の像だった。
教団では殺人罪以上の重罪とされる聖像破壊を、カッセルは故意に、冷静に行う。
止めようとするエミリアーノに彼は静かに言います。
ーー「だから、謙虚に自分であらかじめ罰を受けたんだ」と。
像が倒れる。
破片が散る。
血が流れる。
それでも彼の目は冷静だった。
カッセルは、神に、そしてエミリアーノに、問いかけます。
なぜイネスが罰を受けなければならないのか。
罰を受けるべきは、どの時代でも軍人として生きてきた自分のような者ではないのか。
なぜ、自分は彼女の痛みを分かち合えないのか。
エミリアーノは言います。
「あなたではありません。ただ悪魔が、あの日、あなたの名前を言っただけです」
その言葉を聞いて、カッセルはエミリアーノに告げます。
「私はイネスと離婚するつもりだ」と。
そして彼は、口にできなかった言葉を、胸の奥で並べ続けた。
管理人ロゼの考察①|罰を「取りに行く」
この場面を「感情の爆発」として読むと、本質を見誤ります。
カッセルが聖像を壊したのは、怒りからではありません。
神への挑戦でもない。
「だから、謙虚に自分であらかじめ罰を受けたんだ。」(-原作第5巻より-)
ーー「謙虚に」。
カッセルは罰を恐れていません。
赦しを求めてもいない。
ただ、自分が受けるべき罰を、自分で取りに行った。

イネスが受けた罰を、自分は分け合えないという絶望があったからではないでしょうか。
「なぜまだイネスの罰を分け合うことすらできないのか」——この言葉が、聖像破壊の本当の動機だった。
罰を”受ける”のではなく、罰を”取りに行く”。
この違いは大きいと思います。
彼にとって罰は刑ではなく、イネスと痛みを繋ぐための唯一の回路だったのかもしれません。
名セリフ考察①|「アニステミ」——なぜ彼は読めたのか
罰を取りに来た男の足元に刻まれていたのは、「復活」でした。

ἀνίστημι
復活させる。立ち上がらせる。起こす。
「司祭でもないのに、どうして知っているのですか」と問いかけるエミリアーノに、
カッセルは「こっちが知りたい」と答えます。
🌹 カッセルはなぜその文字を読めたのか。
それが啓示だったのか、それとも——まだ思い出せない、別の人生の断片だったのか。
この場面が示すものは静かで、とても大きい。
倒れた像の足首に刻まれた「復活」という言葉を、罰を取りに来た男が読む。
これは偶然なのでしょうか?
そして、カッセルは黙示録の一節を口にします。
「聖像が破壊される日、戦の使徒が地に降りる」(引用:原作5巻)
ーー聖像が倒れる日、戦の使徒が地に降りる。
これも偶然でしょうか。
彼がまさに“戦地へ向かう男”であることは。
管理人ロゼの考察②|「あなたではありません」—罰の矢印がずれる瞬間
この章の転換点であるエミリアーノの言葉ーー
「あなたではありません。」
「ただ悪魔が、あの日、あなたの名前を言っただけです。」(-原作第5巻より-)
カッセルは、混濁する記憶の中で頭に流れ込んでくるオスカルの言葉を聞いて、
イネスの破滅を「自分のせいだ」と確信します。
自分のせいで、彼女の人生が狂ったと。
自分がイネスを最初にあの深みに突き落としたのだと。
しかしエミリアーノは言います。
あなたのせいではない。
悪魔が、あなたの名前を道具として使っただけだ——と。
この言葉は、その罪の所在を示す矢印を静かにずらしました。
名セリフ考察②|静かな断絶の意味
そしてカッセルは、最も残酷な決意を静かに口にします。

「私はイネスと離婚するつもりだ。……エミリアーノ。」
これは激情ではありません。
彼女をこの汚泥から引き揚げ、オスカルのいない世界をつくる。
その世界でイネスが笑って暮らせるなら。
たとえエミリアーノを愛するほどの燃え上がる愛情でなくとも、善良で少しはマシな男のそばで暮らせるなら。
そのために皇太子に刃を向け、反逆者として消えることになったとしても。
ーーたとえ、それが彼のいない世界だとしても。
その構想は、5巻後半で提示される“カッセルのいない回帰”と重なります。
カッセルは、このようにしてイネスを自分からも遠ざけようとします。
📖 この自己犠牲は単なる思い込みではありません。
後にオスカルはイネスに対し、
・「カッセルが死ねば君の世界から永遠に消える」
・「君が死ねば、カッセルの世界に君はいなくなる」
という、回帰そのものを利用した最後の脅迫を突きつけます。
カッセルが「自分のいない世界」を本気で選ぼうとした背景には、
この絶望的な支配構造もありました。
→ 原作5巻14-30|オスカルの致命的な欠陥と最後の脅迫
そして、カッセルは、かつての人生を思い浮かべます。
(エミリアーノは)君が愛するに値する男だったと、
そう言ってやれたらよかった。幸せになれと。すべて忘れろと。(引用:原作5巻)
原作ならではの見どころ|「壊しながら、願っている」
この場面が特別なのは、カッセルが聖像を破壊しながら、
同時にイネスの幸福を願い続けているという点です。
ーー怒りと祈りが、同じ体の中に共存している。
その二重構造を、原作では内側の声が外側の行動と並列で丁寧に描かれていて秀逸です。
まとめ|聖像は倒れた。彼は、倒れていない。
今回の考察では、
- 聖像破壊が「怒り」ではなく「罰を取りに行く行為」であること
- アニステミ(復活)という言葉と、それを読めた理由の謎
- 「あなたではありません」という言葉が罰の矢印をずらした瞬間
- 離婚宣言の本質——愛の放棄ではなく、愛の再配置
について整理しました。
罰を求めたのは、自分を壊すためではなかった。
彼女を罰から解き放つためだったのかもしれません。
聖像は倒れた。だが彼は、倒れていない。
ただ、静かにそこに立っていた。
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📖 今回のエピソード対象範囲
| プラットフォーム | 対象話数 |
| ピッコマ・LINE漫画 | 第100〜102話相当 |
| めちゃコミ | 第108話以降相当(推定) |
📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
【日本語版漫画】
・ピッコマ(最新話先行配信)
・めちゃコミック
・LINEマンガ
・comico
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管理人ロゼは、完結までの物語を見届けた後も、以下の公式配信サイトで大切に作品を追い続けています。
- 原作小説:韓国公式サイト(RIDI)にて配信中
- 原作漫画:kakaopage
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