原作小説『この結婚はどうせうまくいかない』第2巻第7章②をネタバレ考察します。
本記事は、管理人ロゼの個人的な視点から描かれた考察です。
なぜ、たかが「従者」をここまで気にするのか?
本章で描かれるのは、
カッセルの「分かりやすすぎて隠しきれない執着」です。
ターゲットは、イネスの従者として現れたラウル・バラン。
彼は有能で、忠実で、非の打ち所がない主人思いの青年です。
客観的に見れば、文句をつける理由などどこにもありません。
にもかかわらず、カッセルは彼を激しく嫌悪します。
その嫌悪感は、単なる不信感では片付けられないほど執拗なものです。
そして何より決定的なのは――
カッセル自身、なぜ自分がこれほどまでにイライラしているのか、その理由を全く説明できていないという点です。
本章は、その「言葉にできないモヤモヤ」が、
隠しきれない行動となって暴走していく様子を鮮烈に描いています。
📖この記事の読み方
本記事はネタバレを含む考察記事です
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この結婚はどうせうまくいかない
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ネタバレ注意
ここから先は重大なネタバレを含みます。
あらすじ|人にだけ優しい犬もいる②
イネスの従者として、若きラウル・バランが官邸に足を踏み入れます。
ラウルは経験こそ浅いものの、礼儀から判断力まで完璧。
イネスの習慣をすでに十二分に把握し、何一つ不足ないかのように彼女を支えていきます。
イネスもまた、彼の働きを自然に受け入れ、カルステラでも側に置くことを決めました。
しかし、カッセルは猛反発します。
表向きは年齢や経験不足を理由にしていますが、その拒絶感は理屈を超えたものです。

「私は必要ない……」

「私は必要なの…」
けれども、イネスの言うこと(=すでに結論が出てしまっていること)に、
カッセルが反対意見を押し通すことができるわけもなく、結局はラウルを受け入れるしかありませんでした。
官邸で働くことになったのを歓迎する、バラン。(引用:原作2巻)
そして、ついにカッセルは、ラウルの行動を監視するよう使用人たちに命じます。
しかし、届く報告は、ラウルの献身的な働きぶりと、
それによって終始穏やかに、快適に過ごすイネスの様子ばかり。
それでもなお、カッセルの胸に渦巻く得体の知れない違和感は、
消えることなく残り続けます。
📖 今回のエピソード対象範囲
| プラットフォーム | 対象話数 |
| ピッコマ・LINE漫画・COMICO | 第28〜29話相当 |
| めちゃコミ | 第29〜30話相当(推定) |
※漫画版ではこのやり取りは比較的さらりと描かれますが、
原作ではカッセルの反応が執拗に積み重ねられている点が特徴的です。
考察01|否定すればするほど、行動は「愛」を語る
カッセルは頑なに、自分自身のスタンスを定義します。
「イネスを気に入っている。だが、愛してはいない」(引用:原作2巻)
これは彼の中で一貫した「建前」です。
しかし、その裏でカッセルが取る行動は、その言葉と激しく矛盾しています。
まず、ラウルに対する数々の過剰な反応。
イネスの性格を熟知しているラウルは、不敵にも(イネスについて)「知らないことはない」と言い放ちます。
この一言が引き金となり、カッセルの反発はピークに達します。
論理的な「問題点」など見つからないのに、とにかく気に入らない。
後付けの理由を探してまで、彼はラウルを否定しようと必死になります。
さらに滑稽なのは、その後の徹底した監視行動です。
単なる警戒なら一日で済むはずが、彼は毎日、細部にわたる報告を執事のアルフォンソに求めます。
ーーさて、実際に上がってくる報告はどうだったのでしょうか。
・「奥様はよく笑っておられた」
・「終始、快適そうに過ごされていた」
・「ラウルは献身的に世話をしていた」
客観的に見れば「満点」の報告です。
イネスが幸せそうなら、夫として満足すべきはず。
それなのに、カッセルは全く満足しません。
カッセルはラウルの「不備」を探しているのではなく、自分でも正体が掴めない「納得できない何か」を確認し続けずにはいられない。
ただ、カッセル自身は、なぜそんなことまでしてしまうのか、
まだ理由付けができていません。
考察02|もはや「コメディ」の域に達した執着
この一連の心理戦は、非常に緻密な描写であると同時に、
最高に笑えるコメディとしても機能しています。
象徴的なのは、三者三様の「使用人たちの報告」です。
・要領を得ない御者。
・イネスばかり見ていてラウルを覚えていない使用人。
・そして、異様なまでの正確さで記録を提出する侍女カーラ。
「イネス様の食事拒否3回、ラウルの説得7回、微笑み4回、笑い声3回…」
(引用:原作2巻)
本来なら失笑してしまうような細かいデータに、
カッセルは誰よりも真剣に、そして強く反応します。
彼が一番引っかかったのは、データの数値そのものではありません。
「イネスが笑っていた。しかも、何度も」
という事実です。
ここで、彼の関心がどこにあるのかが完全に露呈します。
ラウルが何をしたかではなく、「その結果、イネスがどうなったか」。
そこから一歩も目が離せなくなっているようです。
この時点で、彼の「愛していない」という否定は、もはや成立していません。
考察03|それを「嫉妬」と呼ぶ勇気がない、カッセル・エスカランテ
カッセル自身、一度はこのどろどろした感情を疑います。
「これは……嫉妬なのか?」と。
しかし、彼はすぐにそれを打ち消します。
ラウルは恋敵ではない。
不埒な感情を持っているわけでもない。
そもそも、ただの従者だ。
だから嫉妬のわけがない――
そう結論づけたはずなのに、
その直後には、またラウルの報告を細かく確認してしまう。
カッセルが反応しているのは、ラウルの属性や忠誠心ではありません。
「自分の知らないところで、イネスが他者と自然に関わりながら穏やかに過ごしている状態」そのものに耐えられないのです。
理由は説明できない。
けれど、目障りで仕方ない。
かといって排除する理由も見つからない。
この矛盾したループの中で、彼は今日も監視を続け、細かな報告に一喜一憂します。
イネスは問題なく過ごし、ラウルは忠実に働いている。
何も起きていないからこそ、整理できない感情だけが彼の中に積み重なっていく。
まとめ
ここで描かれているのは、「愛の自覚」の瞬間ではありません。
むしろその真逆、心はすでに激しく動いているのに、
頭がそれを認めることを拒んでいる状態です。
「愛していない」という言葉を盾にしながら、誰よりも愛に近い熱量で彼女を注視し、執着してしまうカッセル。
この滑稽なまでの「自覚なきズレ」こそが、
この場面の最高の面白さであり、二人の関係性の核心です。
🌹 管理人:ロゼ
否定すればするほど、
その重すぎる愛が「行動」として漏れ出しています。
ラウルとアルフォンソだけでなく、読者にも、
「うんうん、わかってますよ、あなたの心はね、はいはい」と返事をされるカッセルの苦悩は続きます。
(カッセル、頑張れ。)
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📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
【日本語版漫画】
・ピッコマ(最新話先行配信)
・めちゃコミック
・LINEマンガ
・comico
📖 原作小説・漫画(韓国語版)について
管理人ロゼは、完結までの物語を見届けた後も、以下の公式配信サイトで大切に作品を追い続けています。
- 原作小説:韓国公式サイト(RIDI)にて配信中
- 原作漫画:kakaopage
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