この結婚はどうせうまくいかない 原作5巻13章⑦|避妊薬——君が死ぬのが怖かった【ネタバレ】

この結婚はどうせうまくいかない 原作5巻13章⑦|避妊薬——君が死ぬのが怖かった ネタバレ考察 この結婚はどうせうまくいかない

原作小説『この結婚はどうせうまくいかない』第5巻第13章⑦をネタバレ考察します。
本記事は、管理人ロゼの個人的な視点から描かれた考察です。


小さな袋だった。

乾燥ハーブを刻んだだけの、何の変哲もない袋。
しかしイネスはその名前を知っていた。

オスカルが娼婦に持たせていた、高価な避妊薬だった。

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本記事はネタバレを含む考察記事です。

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あらすじ|帰り道 ⑦

早朝、ドレスルームで偶然見つけた小さな袋。
イネスはその正体を即座に見抜いた。

寝室に駆け戻り、贈り物を投げつけた。
ロザリオの箱を投げつけた。
倉庫部屋へ走り、抱えられるだけ銃を抱えて廊下に落とした。

よろけて倒れかけたイネスをカッセルが受け止める。
彼女は泣きながら彼を叩き続けた。

カッセルは「ごめんね」と繰り返しながら、ただ抱きしめ続けた。

殴ることもできず、二人はただ抱きしめ合った。

考察01|ラブレターの敗北

その朝、イネスはカッセルに手紙を書こうとしていました。

名前を書いた途端、言いたいことがなくなった。
ペン先で顎をトントンと叩きながら眠る彼を見つめても、何も浮かばない。

頭を打って大怪我したのに、彼はどうしてあんなに長い手紙が書けるのか——敗北感が押し寄せた。

失敗したラブレターを挽回しようと、ドレスルームへ向かった。
そこで目に留まったのが、わずかにずれた角度で置かれたガラスの小箱だった。

考察02|ティリダード

箱の隅に、口を開けた小さな袋があった。

一見すると乗り物酔い用か消化薬のような乾燥ハーブ。
しかしイネスは、すぐにその葉の形と効能を見抜いた。

ーーティリダード。

オスカルが自ら飲んでいた、非常に高価な避妊薬だった。
万が一にも、娼婦に皇室の庶子を宿させないために。

一瞬にして全身の血が抜けた。

騙された。弄ばれた。

この結婚はどうせうまくいかない 青ざめるイネス


たかが体を重ねただけの女のように。

子どもの名前を口ずさみ、私たちの未来を語った、その全部が——。

頭が真っ白になったまま、イネスは走った。

考察03|叩いても、叩いても

贈り物を投げつけた。
ロザリオの箱を投げつけた。

倉庫部屋へ駆け込み、カッセルのために用意した銃を、抱えられるだけ抱えたが、支えきれず1本、廊下に落としてしまう。

よろけて倒れかけたイネスをカッセルが受け止めた。

彼女は力の限り彼を叩いた。
胸を、肩を、届く限り叩き続けた。

息が詰まって声も出なくなりながら、叩き続けた。

カッセルは脈拍を確かめながら、こめかみに唇を寄せた。

「……エスカランテ、あなたが、すごく憎い……今すぐあなたを殴り殺してやりたい……そして私も一緒に死ぬんだから……」(引用:原作5巻)

言葉の底には憤りではなく悲惨さが滲んでいた。
カッセルはそれに気づき、固まった。

どうして私を騙したの。
最初から望まないと言ってくれればよかったのに。
本当は、私との子どもを望んでいないと。

そこへ、過去の声が流れ込む。

『泣かないで。こんなふうにしたら君が倒れそうで怖いから……お願いだ。頼むから』
(引用:原作5巻)

本当に、彼は少しも変わっていない。
結局は、あの時とまったく同じ男だった。

考察04|「好きだって言ったじゃない」

イネスは空虚な笑いを漏らした。
自分の言うことが正しくないと我慢ならないこの性格で、実際には否定されることを望んでいるとは。

すべてが嘘ではなかったことも、
彼女を弄ぶつもりなど夢にも思わない品性も、イネスは知っていた。

彼は「彼」と同じだった。

放蕩に見えても、軽薄に見えても、その核にあるものは変わらない。
飽きるほど変わらない人格のまま、自分を理解できないほど愛し、苛立たしいほどの忍耐と自制心を持っている。

だからこそ、彼女が自分自身を嫌うほど、耐えられなかった。

「……好きだって言ったじゃない!あなたがあまりに好きで、犬みたいに甘噛みされてもいいとまで言ったじゃない。あなたなら、何をしてもいいって……それなのに、どうしてあなただって……」

イネスの告白に、堰を切ったように、カッセルがイネスに押し寄せた。
息もできないほどのキスだった。

叩いても叩いても彼は痛がらなかった。
怒りの残滓のように、十数滴の涙がこぼれ落ちた。

「泣かないで…泣かないで、イネス、お願いだ」

彼女を抱きしめる腕は痛く、
もどかしかった。

まとめ

叩いても、叩いても、カッセルは痛がらなかった。
ごめんね、と囁き続けた。
泣きながら、彼女の首にしがみつきながら。

殴ることもできなくなった手が、いつの間にか彼の背中に這い上がっていた。

怒りはまだ消えていなかった。
それでも二人は、ただ抱きしめ合った。


次回、13章⑧「あの日、何があったのか——告白の後」へ続きます。

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📖 今回のエピソード対象範囲

プラットフォーム対象話数
ピッコマ・LINE漫画・COMICO第106〜107話相当
めちゃコミ第116〜117話相当(推定)

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