この結婚はどうせうまくいかない 原作7巻第16章-⑯あらすじ|私はカッセル・エスカランテを裏切りません【ネタバレ】

この結婚はどうせうまくいかない 原作7巻第16章-⑯あらすじ|私はカッセル・エスカランテを裏切りません この結婚はどうせうまくいかない

イネスはベルグラーノにいた。

白いアンダードレスを真っ赤に染めるほどの傷を負ったまま、
縛られた状態で尋問の机に座っていた。

まるで、このすべてがほんの一時の出来事に過ぎないことを知っている人のように。


ネタバレ注意
ここから先は、重大なネタバレを含みます。

第16章「川はみな海に注ぐが、海は満ちることがない⑯|あらすじ

近衛隊長マレロ伯爵と捜査局長ガリンド卿が向かいに座っていた。

ベルグラーノとはどのような場所か。

オルテガの貴族のうち最も末席に属する者でさえ、並大抵の罪でなければ足を踏み入れることのない場所だった。

その机の下を、ドブネズミが二匹素早く通り過ぎていった。

驚いたのは、イネスではなかった。

陳述

近衛隊長マレロ伯爵と捜査局長ガリンド卿を前に、イネスは語り始めた。

「目を覚ました時は、皇太子殿下の寝室でした。
初めは薬が強すぎて、抵抗する術もなく殿下の醜行に耐えるほかありませんでした」

身体を動かせるようになるや否や抵抗を始めたこと。
離してほしいと哀願したが皇太子は気にも留めなかったこと。

そして——

「殿下は、私の足で頭や顎、顔などを数回にわたって蹴り飛ばされました」

一見すると冷静で恭しい陳述だった。
しかし一度たりとも自分を卑下しない、傲然とした言葉だった。

オルテガでは罪人の陳述は自らを低く見積もることから始まるものだった。

イネスはそうしなかった。
それは同時に、自分が決して罪人になり得るはずがないという逆説的な主張だった。

刃物と傷

「度重なる拒絶に怒りを抑えきれなくなった皇太子殿下は、ベッドから飛び起き、武具が飾られた壁へと向かわれました」

脅され、ベッドへ引き戻され、さらに激しく抵抗した。
その過程で腕を斬られ、指も折られた、と。

イネスは、アリシアの罪もオスカルになすりつけながら、
赤く腫れ上がったまま歪んでいる人差し指を突き出してみせた。

「殿下は、ついに太ももを剣で刺されたのです。大人しく足を広げなかった報いだ、とおっしゃりながら。」

「『両足を大きく広げさせ、額縁に飾る蝶の標本のように両側のバランスを合わせて、剣で自分のベッドに固定してしまえばいい』とも……」(引用:原作7巻)

大貴族の口から出たとは信じがたい赤裸々な表現を口にすることも躊躇わなかった。

だが、それは彼女が想像で作り上げた言葉ではない。

かつて皇太子妃だった時代。
オスカルが浴びせ続けた暴言と執着。
その記憶の中から引きずり出してきたものだった。

彼女が語る醜悪な言葉も、
作り上げる偽りの凶行もまた、
遠い昔に自分自身が味わった地獄の残滓に過ぎなかった。

もちろん、この体に刃物を向けられたことだけはなかったけれど。

不名誉な事故

「そうして私の胸を剣で切り裂きながら、どれほど浅ましい満足感を表していたかは……
その汚らわしい言葉は、私の残りの生涯、神だけが知ることになるでしょう」
(引用:原作7巻)

散々赤裸々な言葉を口にしておきながら、
「到底自分の口からは言えない」と表現したことで、一同の顔が歪んだ。

そうするうちに、皇太子ががうっかり落とした剣を運良く拾い上げ、このような事故が起きたのだと説明した。

皇室側の焦り

マレロ伯爵は焦っていた。
イネスの供述が事実かどうか以前に、このままでは皇室そのものが傷つく。

マレロ伯爵が切り出した。
このままでは皇室への反逆も同然だ。
皇太子が狂って自らを刺してしまったと言い張る方が、比べものにならないほどマシだろうと。

さらには、
「皇太子殿下の恋人と呼ばれることは栄誉だ」
とまで言い出した。

「まったくそんな風に思っていない顔で喋っているのを、ご自分でお気づきですか?」
(引用:原作7巻)

誰も信じていない建前を、イネスだけが堂々と暴いていた。

死ぬことがあっても……

「私はカッセル・エスカランテを裏切りません。たとえ死んでも」

もちろんカッセルなら、死ぬくらいなら裏切れと言うだろう。

だがイネスは違った。

お前を裏切るくらいなら死んだ方がマシだ。

そんな愛を、あの男には教えてやる必要があった。
もちろん、いかなる裏切りも、死も迎えることなしに。

ヴァレスティナの私兵

その時、廊下から足音が響いた。

「非常事態です! セニョーラ・エスカランテの尋問を、今すぐ中止しなければなりません!」

ベルグラーノの行政官・セラーノ子爵が荒い息で叫んだ。

「ヴァレスティナ公爵の私兵たちが、たった今要塞の城門を通過しています! 適法な手続きを無視してベルグラーノに拘束された一族の血を、即刻連れ戻すとのことです……!」

さらに、エスカランテ公爵が武装した軍兵を率いて宮廷に向かっているという。

マレロ伯爵が青ざめた顔で飛び出していった。

イネスは静かに、セラーノ子爵にそっと目配せした。

男爵は分かっていると言わんばかりに、捜査局長に気づかれないよう頷いてみせた。

🌹 更新情報は @koyakoya0515 でもお知らせしています

第16章-⑮|完璧な証人(前の記事へ)

第16章-⑰|ごめんなさい、ルシアーノ (次の記事へ)


📖 原作6巻を振り返る
原作6巻総括|神は救わない。それでも人は救われていく


📖「6巻の読み方はこちら」
6巻以降の読み方ガイド

※本記事の人名・地名は原作ベースの仮訳です。今後の公式翻訳により表記が変更される可能性があります。

📖 作品情報・配信プラットフォーム

  • 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
  • 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
  • 原作: CHACHA KIM
  • 脚色: CHOKAM
  • 作画: Cheong-gwa

【日本語版漫画】
・ピッコマ(最新話先行配信)
・めちゃコミック
・LINEマンガ

・comico

📖 原作小説・漫画(韓国語版)について
管理人ロゼは、完結までの物語を見届けた後も、以下の公式配信サイトで大切に作品を追い続けています。

  • 原作小説:韓国公式サイト(RIDI)にて配信中
  • 原作漫画:kakaopage
    ※海外サービスのため、日本からの利用条件は事前確認をおすすめします。

【免責事項】

※翻訳方針については当サイトの翻訳・引用ポリシーをご確認ください。
※本記事は作品のテーマを考察するものであり実在の行為を推奨・肯定する意図はありません。
※作品の引用・翻訳は著作権法の範囲内で行い、引用元を明記しています。
※本記事は作品内容の分析・評論を目的としたものであり、原作の翻訳全文を掲載するものではありません。