原作小説『この結婚はどうせうまくいかない』第3巻8章⑳をネタバレ考察します。
本記事は、管理人ロゼの個人的な視点から描かれた考察です。
嬉しくて、
どうしていいかわからなかった
片耳だけ見せてくれた。
それだけで、この男は満面の笑みを浮かべた。
📖この記事の位置づけ
◀第8章⑲|あと一日だけ(前の記事へ)
第8章⑳|私の問題のある金遣いは君のものだ(この記事)
▶ 第8章㉑|またカルステラに戻ってくればいい (次の記事)
一覧で読む
▶ この結婚はどうせうまくいかない 考察一覧
あらすじ|人魚と兵士 ⑳
宝石商が並べた数十個の箱を前に、イネスは「無駄遣い」と言い切った。
返品を主張しながら、負債を数え、別れる時のことを考えた。
しかしカッセルは屈しない。
イネスがダイヤのイヤリングを片耳につけた瞬間から、カッセルの理性は崩壊。
似合う言い、綺麗だといい、そしてまた似合うと言った。
残りは全部捨ててもいい。
イネス、私の問題のある金遣いは君のものだ、と。
気に入ったのはイヤリングだけではなかった
「無駄なものをこんなにたくさんなぜ買ったの」
応接室の真ん中で、宝石商が並べた数十個のベルベットの箱を開ける前から、
イネスは断固として言った。
(——いざ蓋を開けば……)
しかし、開いてからもイネスの態度は変わらない。
エスカランテにもヴァレスティナにも宝石なら山ほどあるし、
必要なら実家から盗んでくればいいと。
——なかなか理にかなった持論だった。
カッセルの反論はこうだ。
「だとしても、全部誰かが使ってたものじゃないか。中古品は贈り物にはならないぞ」
イネスはしばらく言葉を失った。
宝石をそんな風に言う人間を、生まれて初めて見た顔だった。
「無駄遣いは無駄遣いよ。あなたのお金だから、あなたがどう使おうと構わないけれど、私にこんな風に使う必要はないと言っているの。」(引用:原作3巻)
そう言いながら、イネスが、自然にダイヤモンドのイヤリングを手に取った。
カッセルが、宝石店で唯一目を奪われた、
「あの」ダイヤモンドのイヤリングだった。
「嫌だって言いながら、なぜ着けているんだ?」
元々つけていたものを外して手慣れた様子でつけようとしたまま、少し動きが止まった。
「これは——綺麗だから」
「一つでも気に入ればいいんだ。そのために買ったんだから……。」
彼は満足そうな表情になった。
綺麗だ、すごく綺麗だ
「もう片方も着けてみてくれないか」
片耳だけ首を傾けて見せると、カッセルは満面の笑みを浮かべた。
「綺麗だ。すごく綺麗だ。」
そして、もう片方を彼女の手から取り上げると、彼女の耳に当ててみた。
両方をじっくりと見ようと、目を細めて……そしてまた笑った。
「綺麗だ」
もう一度言った。
「ええ、あなたが買ったイヤリングは本当に綺麗ね」とだけ同意した。
「君が綺麗だって言ってるんだ。」
また言った。
—— 遊び人のくせに、褒め言葉はそれだけだった。
下手くそだった。
「想像よりずっと似合ってる。君の耳につけるために作られたみたいだ。」
(引用:原作3巻)
イネスはしばらく別の意味で言葉を失った。
よくもまあ、そんなことを言う気になるものだ。
残りをどうするかという話になっても、カッセルは動じなかった。
捨ててもいい、海に投げ込んでもいい、誰が一番遠くまで投げられるか競争しよう——
一週間かけて買い集めたものを、あっさりそう言った。
イヤリング一つ気に入ってくれたなら、それで十分だった。
「ほかは勝手に処分していい。
ただ、このイヤリングは君に狂おしいほど似合うから、どうか置いておいてくれ。」
イネスは本当にそうするつもりだった。
このイヤリングは本当に、心から気に入ったから。
—— こんなものに見合うように生きてきた頃を思い出そうとすれば、
人生を二度ほど遡らなければならなかったが……。
「そうしようとしたのか?いい子だ!」
手を上げろと言えば足をぴょんと上げる犬を、
飼い主が褒め称えるような口調でカッセルは言った。
しかし今、犬のようなのは一体どちらだろうか。
カッセルはイネスの頬を掴み、鼻先をやさしく噛んだ。
顔のあちこちを噛んで吸った。
尻尾があれば振るのに忙しかっただろう。
彼はそうやってしばらくイネスを散々困らせて、
すっきりした顔になった。
イネスは負債を数えていた
しかしその間、イネスは別のことを考えていた。
このイヤリングも、これまでもらったものも、全部負債だ。
別れる時のことを考えると、彼がくれた宝石がぶら下がった尻尾が見えるようだった。
もちろん後で全部返すつもりだけれど。
—— それでも、どういうわけかこのイヤリングだけは手元に置いておきたいと思った。
「私にこんな風に使う必要はないのよ。好意を買う必要もないわ」
丁寧に説明もした。
私はもうあなたの妻なのだから、こんなことをする必要はないのだと。
——それほど遠くない未来には、そうではなくなるだろうけれど……
もう少し正確に言えば、数年後、彼の神聖な結婚をめちゃくちゃにする妻だろうけれど……
「…… ともかく使い道はあるだろう。
なぜだか分からないけれど、君は他の女たちにプレゼントをあげるのが好きだから…。」
(『なぜだか』の理由を知っても、そうしたいと思うだろうか……?)
イネスは少しばかりの罪悪感を覚えた。
私の問題のある金遣いは君のものだ
「残念だけど、イネス。今まで君以外にはいないんだ。」
カッセルがあっさりと告白した。
誰かにプレゼントをあげたかことがあるかなど、今後は考えるまでもないだろう。
「君に負担をかけようと思って言っているんだ。君が不快に思えばいい」
カッセルは耳たぶの下に軽くキスをして、言った。
「イネス。私の問題のある金遣いは君のものだ」
声が優しかった。
温かい、呪いのようだった。
▶ 次の話(続き)
→ 第8章㉑|またカルステラに戻ってくればいい
📚関連記事
8章「人魚と兵士」は、カンラン石のメダルによって封じられていた記憶が動き出し、
イネスとカッセルの過去が少しずつ姿を現し始める章でした。
2巻全体を通して見ると、ここで描かれていたのは恋愛の進展ではなく、
「白黒だった人生に色が戻り始めること」だったのかもしれません。
▶ まとめて読みたい方はこちら
→ この結婚はどうせうまくいかない 考察一覧
▶ 作品全体を理解したい方はこちら
→ 完全ガイド
▶ 登場人物を整理したい方はこちら
→ 人物相関図
📖 今回のエピソード対象範囲
| プラットフォーム | 対象話数 |
| ピッコマ・LINE漫画・COMICO | 第40話相当 |
| めちゃコミ | 第41話相当(推定) |
📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
【日本語版漫画】
・ピッコマ(最新話先行配信)
・めちゃコミック
・LINEマンガ
・comico
📖 原作小説・漫画(韓国語版)について
管理人ロゼは、完結までの物語を見届けた後も、以下の公式配信サイトで大切に作品を追い続けています。
- 原作小説:韓国公式サイト(RIDI)にて配信中
- 原作漫画:kakaopage
※海外サービスのため、日本からの利用条件は事前確認をおすすめします。
【免責事項】
※翻訳方針については当サイトの「翻訳・引用ポリシー」をご確認ください。
※本記事は作品のテーマを考察するものであり実在の行為を推奨・肯定する意図はありません。
※作品の引用・翻訳は著作権法の範囲内で行い、引用元を明記しています。
※本記事は作品内容の分析・評論を目的としたものであり、原作の翻訳全文を掲載するものではありません。