大義名分は手に入れた。
しかし終わりではなかった。
証拠は多ければ多いほどよかった。
イネスは「発見された時にどう見えるか」を、すでに一から十まで計算していた。
ネタバレ注意
ここから先は、重大なネタバレを含みます。
第16章「川はみな海に注ぐが、海は満ちることがない」⑬|あらすじ
すべては証拠のために
現に恐怖に怯えた顔をしているのは、オスカルの方だった。
イネスはその瞳をじっと見つめながら、
今度は彼に向かって、はだけた胸の上を刃でゆっくりと切り裂いた。
酷く浅く、しかし酷く長く。
白い胸の上へと血の筋が流れ落ち始めた。
オスカルの顔は、一瞬で死人のように青ざめた。
イネスは、
かつて自分がオスカルを哀れんだ理由すら冷静に語りながら、
胸元へ新たな傷を刻んだ。
次はどこを……
——「次はどこを刺そうかしら?」
オスカルは必死に止めようとしたが、
イネスは構わず自らの太ももへ刃を突き立てた。
女を無理やり寝室へ監禁し、腕も脚も傷だらけにしておいて、
いったいどんな言い訳が通ると思っているのかしら?
イネスが欲しかったのは、自分の身体に刻まれる傷そのものではなかった。
発見された時、誰が見ても同じ結論に辿り着く状況だった。
腕の傷。
胸元の傷。
太ももの傷。
そしてこれから残るであろう痣。
——彼女は抵抗し、オスカルは力ずくで押さえつけた。
誰が見ても、そうとしか思えないように。
そう見える材料だけを選び取りながら、イネスは自ら証拠を完成させていた。
オスカルを蹴飛ばす
倒れ込んできたオスカルが彼女の足首を掴んだ。
イネスは待っていたかのように傷ついていない方の足を振り上げ、
彼の顔を容赦なく蹴り飛ばした。
鈍い音が響いた。

「イネス、お願いだ。君の立場が悪くなるような真似はしないでくれ。」

「まあ、オスカル……。
私に殴られながらも私の心配ばかりするなんて……涙ぐましいわね。」
さらに彼女は刃を振り下ろした。
薬で鈍った身体にもかかわらず、オスカルは反射的にそれをかわした。
もちろん、それも彼女の計算のうちだった。
死になさいよ
オスカルは膝をついたまま、必死にイネスへ手を伸ばした。
彼はなおも彼女を守りたいのだと訴えた。
だが、イネスの返答は残酷なほど冷たかった。
「それなら、死に続けるべきだったのよ、オスカル」 (引用:原作7巻)
オスカルは、
自分たちにはもう時間が残されていないのだと訴えた。
しかしイネスは首を横に振る。
「だから死ねと言っているのよ。そのお気の毒な時間がないのだから」
(引用:原作7巻)
追い詰められたオスカルは、今回の件は自分ではなくアリシアの仕業だと叫んだ。
イネスはもちろん、そのことは理解していた。
だが、それでオスカルの罪が消えるわけではない。

「あの女には、あなたの分まで代償を払わせるわ」
そして冷ややかに続けた。
——「あなたには、あの女の罪の分まで代償を求めてみせるわ。」
薬という言い訳
イネスは冷たく告げた。
薬があなたをそうさせたのではない。
ダンテでもアリシアでもない。
選んだのは、あなた自身だと。
オスカルはなおも許しを求めた。
「いつまで心地だけを味わっているつもり? 死になさいよ」
(引用:原作7巻)
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📖 原作6巻を振り返る
▶ 原作6巻総括|神は救わない。それでも人は救われていく
📖「6巻の読み方はこちら」
→6巻以降の読み方ガイド
※本記事の人名・地名は原作ベースの仮訳です。今後の公式翻訳により表記が変更される可能性があります。
📖 作品情報・配信プラットフォーム
- 邦題: この結婚はどうせうまくいかない
- 原題: 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
- 原作: CHACHA KIM
- 脚色: CHOKAM
- 作画: Cheong-gwa
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