🌹 本記事は、『この結婚はどうせうまくいかない』原作第7巻・終章をもとに、高解像度あらすじ形式で構成しています。
会話部分や必要な箇所では、原作の表現を引用しています。
※ネタバレ注意:ここから先は、重大なネタバレを含みます。
※地名・人名について:本作には現時点で原作小説の公式日本語翻訳版がないため、地名・人名などの固有名詞は原文をもとに当サイトで日本語表記しています。今後、公式日本語版で異なる表記が採用される可能性があります。
終章|風はかつて吹いていた場所へと帰っていく 13
マレバ本島。
カッセルが海賊の手中で目を覚ましていた頃、残された艦隊では何が起きていたのか。
艦船五隻を率いて無断離脱したマウリシオたちに、
バルカ中佐は「反乱」の烙印を押し、やがて船ごと沈めても構わないという命令まで下す。
誰もがカッセルの死を前提として動く中、その前提を覆すものがマレバへ近づいていた
どうして南部のガンベラで見つかるというのだ
なんと、艦船五隻が諸島北西部の本島・マレバの停泊地を離脱した。
その無謀な企てに自ら志願して乗り込んだ脱走者たちは、数え切れないほどだった。
戦争も終盤に差しかかったこの時期に、到底あり得ない事態が起きたのだ。
エスカランテ大佐を南部沿岸のガンベラで救出し、保護している。
ムリーリョのその主張は、一時は大きな波紋を呼んだものの、とうに収束した話だった。
——『常識的に考えてみろ。スパニラ近海で海に落ちた大佐が、どうして南部のガンベラで見つかるというのだ?』
バルカ中佐の指摘は、一見すると理にかなっていた。
文字通り、まさに常識的な話だった。
誰もが腑に落ちないものを抱えながらも、結局は納得したのだ。
中佐の言う通りだ。死んで遺体が発見されたというのならまだしも——と。
そうして、すっかり静まり返っていたというのに。
それが突然、救出に向かうのだと言って海へ飛び出していったのだ。
しかもガンベラは、疑り深く細やかな大佐の副官が、すでに捜索を終えていた場所ではないか。
それでも、行きたいものは行きたいのだった
ムリーリョが最初に接触してきてから、わずか二時間ほどで、指導部はこれを海賊風情の信憑性のない詐欺だと結論づけていた。
将校から水兵に至るまで、『エスカランテ』と聞けば無条件に信じ込むほど心酔している者が多い軍だ。 藁にもすがりたいと思う者がいなかったはずもない。
論理で考えれば望みはない。
それでも、行きたいものは行きたいのだった。
しかしバルカ中佐は、そんな望みのない話には冷淡だった。
彼はラス・サンディアゴから皇帝へ献上する戦利品を、少しでも多く積み上げようと忙殺されていた。
情報が厳しく制限されていたため、海軍の大半は、皇太子が崩御したこと以外に内陸で何が起きているのかを知る術がなかった。
ただし、ほんの少し前まで皇太子妃だった中佐の姪が、一夜にして何の価値も持たない存在になった事情だけは知っていた。
皇太子が死ぬまでに皇孫を身籠ることもできなかったのなら、これからはただ皇室の未亡人の一人として、名もなく老いていくばかりだ。
アリシアがすでに失脚していることを知らない何人かは、若くして未亡人となった中佐の姪に同情さえしていた。
そして、バルカ中佐がこれほどまでに事を急ぐ理由もまた、そこにあった。
だが、そんなものは所詮バルカ家の事情に過ぎない。
一部の兵力を割いて、せめて捜索だけでもしてみることに何の問題があるというのか。
戦時中とはいえ、戦争はすでに終わったも同然だった。
わずかでも手がかりがあるのなら、捜してみるのが当然の敬意であり、礼儀ではないか。
そうした反論は、結論が出た後も何度となく交わされた。
しかし、「ガンベラにいるなどあり得ない」という大勢を覆すことはできなかった。
——『もう33日だぞ。大佐の遺体が陸に打ち上げられていたとしても、潮風と照りつける太陽に晒され、とうに風葬も同然の状態になっていておかしくない』
誰のものとも分からない骨を二、三本拾えるかもしれない——そんな期待のために、この重要な時期を無駄にしようというのか。
結局、誰もがその言葉に同意したように見えた。
そこからさらに反論しようとしても、ムリーリョの奴は嘘をつくような人間には見えなかった、という根拠にもならない主張くらいしか残っていなかったからだ。
しかし、その場にいた者の多くは、同時にこんなことも思っていた。
——今、あの人、「潮風と照りつける太陽に晒され、とうに風葬も同然になっている」というくだりを、妙に嬉しそうに話さなかったか?
艦船ごと全滅させても構わない
それから数日後。
大佐の副官マウリシオを中心とする一団が、艦船五隻を奪い、マレバを無断で離脱した。
バルカ中佐は当然のごとく激怒した。
すでに戦死した司令官を救出するなどという荒唐無稽な大義名分を掲げ、周囲の将校や水兵たちを惑わせ、反乱を起こしたマウリシオ——と。
ひとたび「反乱」の烙印が押されると、それまで緩みきっていたマレバ駐屯のオルテガ海軍にも一気に緊張が走った。
バルカ中佐はさらに、集団抗命、無断離脱、果ては利敵行為まで、事細かに罪状へ加え、手配命令を下した。
オルテガの艦船を持ち逃げし、ラマンチャの海賊の残党にでも売り払うつもりでなければ、あのような真似をしでかすはずがない——そんな論旨だった。
マウリシオをはじめ、行動を共にした選りすぐりの将校十二名は、
いずれも死刑に相当する重罪人とされた。
残る者たちも、少なくとも十年以上はカルステラ軍事裁判所の地下に閉じ込められ、身動きも取れぬまま腐っていく運命だという。
そして最後の帰還命令にも従わず抵抗した場合には、艦船ごと全滅させても構わないという抹殺命令まで下された。
『従わない場合』とは言っているものの、
『艦船ごと全滅させろ』という言葉だけで、誰もがその真意を察することができた。
離脱した艦船を見つけ次第、砲撃して沈めてしまえば、
むしろバルカ中佐には一層気に入られるだろう——というわけだ。
——後腐れが生じる前に殺してしまえば、後腐れなど残らない。
いつの時代の誰が、そんな野蛮な金言を最初にバルカ中佐になぞらえたのかは分からない。
察しない者などいるはずがなかった
緊急時であれば、上官に代わって下位の指揮官が即決処分を下すことも可能だという。
だからといって——その当人たちが乗った軍艦が帰港してきたなら、味方ごと船を沈めてしまってもよいというのか。
何もかも差し置いたとしても、軍艦一隻一隻は、それほどまでに貴重な皇帝陛下の資産ではないか。
まして、一部の将校を即決処分するために船ごと沈めてもよいという命令は、そこに乗っているすべての下級将校や水兵たちまで、まとめて海に沈めて構わないという意味だった。
ここまで来れば、末端の水兵に至るまで、何も察しない者などいるはずがなかった。
降伏文書という降伏文書にバルカの名を残そうとしたことも、手続き上は正当であったとはいえ、すでに皆の反感を買っていた。
そして今度は、エスカランテ大佐の最側近たちまで「反乱者」として消そうとしている。
彼らが海軍を裏切ったことになれば、大領主を討ち取り、壮絶な戦死を遂げたエスカランテの名誉にも傷をつけられる。
同時に、不服従がどのような末路を招くのかを示し、海軍を自分の意のままに動かすための見せしめにもなるだろう。
あるいは、そのどちらでもないのかもしれない。
彼らを南へ向かわせてはならない理由があったように、こちらへ戻ってこさせてはならない理由もまた、何かあったのだろう。
本当の目的が何であれ、そのやり方はあまりにも強引だった。
だが、こうしたことは往々にして勢いの問題でもある。
たとえ自分の言ったことが間違っていたとしても、それを指摘する者さえ黙らせ、舞台から退場させてしまえば、最後に残るのは自分だけなのだから。
黒旗が、消えている
結局、降伏文書という降伏文書にエスカランテ大佐の印章が捺されたのは、手続きや威圧だけでは押さえつけることのできない、無言の潮流が戦場に存在していたからだ。
戦場へやって来たばかりのバルカ中佐には、その圧倒的な流れを覆すことができなかった。
しかし今や、エスカランテ大佐の戦死は現実のものとなり——。
「……あれは、あれは大佐の旗艦ではないか?」
水平線の向こうに、エスカランテ大佐の旗艦が姿を現した。
彼を象徴する旗の傍らから、これまで哀悼の意を示して掲げられていた黒旗が消えている。
それが意味することは、ただ一つ。
カッセル・エスカランテは死んでいない。
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この結婚はどうせうまくいかない 이 결혼은 어차피 망하게 되어 있다
日本語版漫画
韓国語版(原作)
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