泣いてみろ、乞うてもいい |原作83話 「愛が愛であることを知らずに」ネタバレあらすじ

泣いてみろ、乞うてもいい|原作83話あらすじ 泣いてみろ 乞うてもいい

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クロディーヌの謝罪

皇太子夫妻を迎える身支度を終えたクロディーヌは、鏡の中で侍女マリーと目を合わせた。

「ごめんね、マリー。あなたをあんな困境に追い込むべきではなかった。」

長い歳月仕えてきた侍女は、初めて聞く謝罪に、マリーは目頭を赤くした。
高飛車で自尊心に溢れた伯爵家の令嬢を愛してきた彼女にとって、胸が痛む姿だった。

リエットの忠告

荒れ果てた温室を一周したクロディーヌの背後から、慣れ親しんだ声が聞こえてきた。
リエットだった。

クロディーヌはあの日の記憶を語った。

庭師の小屋に泥棒が入ったというその夏の朝、
警官たちが見知らぬ人物を見かけなかったかと尋ねた時、
マティアスが完璧な嘘をついた瞬間を。
間違いなくその男を見ていたにもかかわらず。

その嘘が、レイラのためだったことをクロディーヌは知っていた。

高潔なヘルハルト公爵が嘘をつき、計略を巡らせてまで一人の女を手に入れようとした。
その方法が、レイラの得られる最善の生き方を台無しにするというのだから。

「心配するな。その愛着が本物だったとしても、マティアスがあの子を公爵夫人の座に座らせるはずがない。」

しかしクロディーヌはすぐに頷けなかった。
リエットは長い溜め息をついた。

「君の婚約者が愛が愛であることを知らずにいるようにしろ。
全く知らないまま、あの女を失うように。
そうなるように放っておくんだ。」(引用:原作83話)

「もし本当に愛しているのなら、マティアスはわからないだろう。
そんな感情が何であるかを、一生涯知らずに生きてきたのだから。」

伝えたい言葉の代わりに、リエットは軽い微笑みを浮かべた。

完璧な公爵夫妻

ちょうどその時、礼装を着たマティアスが姿を現し、
白い手袋をはめた手をクロディーヌに差し出した。

窮地に追い込んだあの日の冷酷な様子など、どこにも見当たらなかった。
クロディーヌも婚約者に劣らず自然な微笑みでその手を取った。

「ある意味では、天が定めた一組だ」(引用:原作83話)

首を横に振りながら、リエットも席から立ち上がった。

遠くから見つめるレイラ

ロビーのホールで、リエットはあの女を見た。
使用人たちの集団の最後尾に静かに立つ、ヘルハルト公爵の女、レイラを。

皇太子夫妻を迎える華やかな歓声の中、マティアスはクロディーヌの隣で完璧な微笑みを浮かべていた。

その姿は、レイラが夜に知る男とはあまりにも違っていた。
節度があり品位のある姿のどこにも、レイラが知るあの狂った男の痕跡を見出すことはできなかった。

「高貴な令嬢の男は、あのような姿なのだわ。」(引用:原作83話)

公爵の礼服を飾る目映い勲章を見ていたレイラは、思わず背中に手を隠した。
何も握っていない指先が突然、ひりひりと痛んだ。

何度もきらめく鳥の翼を撫でてみた、あの手が。

式典が終わり、苦々しい安堵感にそっと視線を上げたレイラは、すぐに後悔に囚われた。
クロディーヌが振り返り、正確にレイラの方を見下ろして、にこやかに微笑んでいた。

硬貨が揺れる音が聞こえてくるようで、
レイラは背後に隠した手に一層力を込めた。


次話では、皇太子夫妻の滞在が続く中、マティアスとレイラの関係が新たな局面を迎える。

📖 「愛が愛であることを知らずに」というリエットの言葉の意味はこちら
愛を知らないマティアス考察

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